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●2008, NO.01

 

フロントヤード(前庭)に対するイギリスの新しい基準


 

 




・アスファルトの導入を制限する

・個人の水利用を1日に30リットル削減する計画


環境・食糧・農村地域省(Department for Environment, Food and Rural Affairs:Defra)によって2月7日に公表された文書の一つである『危険な気候変動を避けるには(AvoidingDangerous Climate Change)(1)』には、イギリス国内の水保全と水効率を改善することをめざした提案が述べられている。

 


英国政府は最近、アスファルトで前庭を覆うというホームオーナーにとっては従来あたりまえだった権利に、戦いをいどむと宣言した。水を保全し、洪水の危険を減少せるための推進力として、新しい立法は、砂利または多孔質のレンガで舗装したエリア、硬質地表面よりも一層よい排水を提供するエリアに限っては、建築許可を必要としないという。その方策は、Defraによって公布された文書に含まれていたのだが、それはイギリスにおいて、節水と水効率を向上させることを狙った提案であった。大臣はまた、(水の)消費者に向けて、パワー・シャワーや皿洗い機、洗濯機のような(水消費の多い)機器の利用を制限し、樽などを用いて、家内使用のために雨水を保全するように要求した。

政府は、上昇傾向にある水消費量を下降させて、現在の1日につき1人当たり標準使用量である約150�から130�へ、さらにはできれば、120�へと個人水消費を減少させたいのである。また、水に対する単独の課金の再検討も発表されたが、それは、家でのいまの水利用を続ければ、『普遍的な概念』として、イギリスは2030年までに最も干ばつに見舞われる地区になるということによっている。

 

環境長官ヒラリー・ベン(Hilary Benn)は、この措置計画に着手したが、干ばつや洪水のような圧力は、気候変動のために今後よりひどくなるだろうと警告している。

「給水を確保して維持することは、国の繁栄に、そして、人々と環境の健康に不可欠である。いくつかの地域では既に、現在の供給では支えられない。また、この状況は2004年から2006年にかけてのイギリス南東部で発生した干ばつによって例証されている。」

 

前庭の舗装に関する基準を発表した環境相フィル・ウーラス(Phil Woolas)は、過去10年間のロンドン市民だけでも、ハイドパーク22個分に相当する舗装を行い、多くの水を表面流出させ、下水設備へと追いやっていると語った。政府は、また、この表流水の排水管をメインの下水設備システムに接続するという、これまたホームオーナーの自動的に有する権利を削除することも検討するつもりである。大臣は、川の汚染を減らすために、2015年の終わりまでに粉末洗剤からリン酸塩化学製品を段階的になくすことを誓約した。

こうした計画はRSPBによって「広く歓迎された」。しかし、慈善団体などは、「案外控えめ」な計画だとして、水不足地域では2030年までの目標を記述するなどの、水不足に取り組む確固とした処置を講ずるように政府に要求した。

 

水政策の指導者であるロバート・カニングハム(Robert Cunningham) は、以下のように述べている:
「南東部は近年すでに重大なかんばつを被っており、水供給会社や人々、野生生物などは、ますますその対策が難しいのに気づいている。我々は、今後20年のうちにではなく、現在ただ今変化が必要なのである。」

また、水に対する消費者審議会女性議長であるダーン・イヴ・バックランド(Dame Yve Buckland)は、次のように語っている:
「我々は、産業がこの見地でさらに先導する立場をとっているのを見たい。そして、水供給会社は、これらの非常に重要な問題を直接に彼らの顧客に知らせていなければならない。」
「我々自身が行った昨年の調査によれば、産業界は、漏水を減らす観点から合法の設備を投じるならば、戸主がさらに寄付をする覚悟であることを示している。」

また、ナショナルトラストの政策戦略局長であるトニー・バートン(Tony Burton )は、策略を「私たちの土地管理と水質管理とを結びつけ、さらに、私たちが水使用量を減少させる必要があると認識させるような、正しく有益な施策」だと記している。

 

Defraの手段

・降雨が地面に浸透するように、多孔性舗装を行う新しい庭を促進する補助金制度
・水質汚染を減らす試みとして、粉末洗剤に含まれるリン酸塩を段階的に排除する
・独立会派の人は、水への課金を再検討する
・どんな新しい計画においても、弱い人々(例えば低所得者や高齢者など)に対する保護策を講じる
・2007年夏の洪水以後、環境庁に、洪水防止戦略と洪水対策をコーディネートする権限を与える。
・炭素縮小誓約計画の範囲内で、水を供給する会社は、その炭素排出を減らすための目標を産業に設定する
・Defraは、2007年にTewkesburyのような地域で発生した洪水の再発防止を望む


 

原典
http://www.guardian.co.uk/environment/2008/feb/08/water.drought 
(1)[PDF] MICHEL DAVID UPDATED PAPER

INDEX
●フロントヤード(前庭)に対するイギリスの新しい基準
●食物のためのデザイン
公園を通じたコミュニティーの再発見(1) (2) (3) (4)
良い公共空間を作るための4つのポイント
危機に瀕する5つの公共空間
不動産開発業者による公園用地取得資金負担制度
世界で最も過大評価されている5つの場所
何が成功した場所を作るのか(1)
近隣公園のレポートカード
小規模公園の民間レポートカード
民間による公園のための資金調達
シアトルは、開発者が公園の代価を払うことを望む
あなたの都市はどう格付けされているか
ニューヨーク市の失われゆく公園
地球温暖化:暖まる
地球温暖化:明確なゴールを定める時期
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