グリーンインフラストラクチャーの基礎知識

グリーンインフラストラクチャーとは、1990年代中頃に米国で生まれた概念である。それは、土地の利用計画を決定する際に自然環境の重要性を強調するもので、緑を用いた都市基盤のことである。 グリーンインフラストラクチャーの目標 … 続きを読む グリーンインフラストラクチャーの基礎知識

レインスケープ:雨から環境を創生する

IMG_9981

すべての環境デザインは雨から始まる。今、ランドスケープアーキテクチャーは水保全を実現する生態学的設計を標準装備し始めた。
日本ゼリスケープデザイン研究協会は、雨水管理をランドスケープに統合した低影響開発による「雨の庭TM」を全国展開している。

雨水管理:雨のつながりをデザインする

雨水を樽やタンクに貯めて再利用することも雨水管理の一部であるがすべてではない。特に、低影響開発の場合、それは統合的雨水管理と定義されるとおり、多層的な雨水の管理が求められる。下にレインチェーンと呼ばれる模式図を提示する。 … 続きを読む 雨水管理:雨のつながりをデザインする

ゼリプランツギャラリー

 

ゼリプランツとは乾燥、乾湿の極端な状況、湿潤、いずれかの状態に適応する植物で、活着後には手間いらずな植物を指している。水保全を推進するためには、空間の中で上手くゼリプランツを活用していかなければならない。JXDAはゼリプランツの中から、雨の庭TMを中心とした低影響開発にて用いるのに最適な品種をRain Garden Plantsとして定め、その使用を推奨している。
※JXDAはこのたび、JXDA認定ゼリプランツの名称をRain Garden Plantsに改めました ※2017.7.13修正。

 

 

ゼリプランツにはグラウンドカバーから草本類、低木、樹木までゼリプランツにはさまざまな種類がある。

 

  • グラウンドカバー:地面を覆う目的で植えられるもので、草丈は比較的低い。地被植物とも呼ばれる。水保全の観点からみたグラウンドカバーの利点は、地面を覆うことで地面からの水の蒸発を減らすことである。
  • 草本類:グラウンドカバー同様乾燥防止の効果があるが、季節の色や趣を添えるという点で植栽計画の主役になりやすい。このため実と益を兼ね備えた種類と言える。
  • 低木:乾燥防止、土壌の安定など水保全の観点からみた低木の利点は、グラウンドカバーのそれと同じであるが、さらに遮蔽機能、高低差を付けたい、管理をしやすいなどの他の側面からみた利点があり、それらが必要な際にはグラウンドカバーではなく低木が植えられる。
  • 樹木:緑陰木を敷地に1本植えることで敷地に影ができ、その地表からの蒸発は他と比べると少なくなる。1本植えることで敷地の環境はそれ以前と大きく変わることから、水保全に大きな役目を果たす。

 

※2017.7.13修正:植栽設計の資料を独立した新記事として分離。

低影響開発は進行中の実践である

sw1407_65

 

1987年にプリンスジョージ大学(メリーランド州)が、雨水管理実践として低影響開発を始めた。しかしこの効果、特にバイオレメディエーションと呼ばれる生物浄化による汚染物質摘出効率を量化できる情報は、現時点では足りない。

 

なぜならば、制御すべき要因が多数あることに加え、雨水の流入や流出を測定する論理計算、バイオレメディエーションによる汚染削減や除去速度を確認する実験の数などが、いまだ足りないからである。バイオレメディエーションによる除去速度については大学のランドスケープ研究室あるいは微生物研究室が行っており、また、フィールド・データを償うために設計基準も存在する。これは、ろ過や吸着の可能性を増加させるために土壌の深さを深くすることを強調している。が、まだ確実なものはない。

 

-元記事:2008.12月投稿 本サイト再掲2016.5月-

日本ゼリスケープデザイン研究協会は水保全のランドスケープを推進する特定非営利活動法人です。