低影響開発の実践的な手法:その分類と評価

公開日 2011年1月21日 最終更新日 2016年5月2日

降雨流を減らす実践の特性と限界を評価し、これらの実践が最良を遂行するのはどのような状況下においてであるのかを理解することは、有益である。それぞれの実践に対して、表1:降雨流出削減実践に対する評価は、フローの有益な点、環境的な機能、実施可能性、機能、運用、メンテナンスの必要性、環境認識を促進するための潜在性などを概括する。

 

評価指標
評価指標は次のとおりである。

    • すべての実践が降雨流において何らかの削減を実現する一方で、表の中には含まれないが水文倫理/水力性能は幅広く変化する。
    • 実践の四分の三は潜在的に設計に依存するが、「激しい(1インチ以上の)」降雨ならば少なくとも周辺利益を提供する。
    • 二つの実践以外は全て汚染物資除去と水質的利益が期待される。
    • 多くの実践が、公衆に受け入れられるものだと信じられている一方で、かなりの集中的な公衆に対する啓発プログラムが、実施の成功には必要とされる。
    • 実践の四分の三以上が、組織間パートナーシップの機会を提供するものである。
    • 実践の約65%は植栽を使うものであり、82%は浸透を増加させるもので、53%は降雨貯留を内容に含んでいる。
    • 実践の半分以上は、環境的な責任能力と認識を促進するのに役立つもので、「良い」あるいは「非常に良い」程度の潜在力を秘めている。
    • フレンチドレイン、ドライウェル、浸透マスといった幾つかの実践は、ウィスコンシン州南部のような敷地の特殊な土壌調査が必要なところでは限界がある。

 

降雨流出削減実践の費用効率

 

上の表2降雨流出削減実践の費用効率(PDF版はこちら)は、実践の費用効率を表している。初期費用と不浸透性エリアに対して費やされた費用、降雨流の削減量はいろいろである。つまり、雨水樽ならば、屋根からの流出を僅か1/4インチしか溜められないが、グリーンルーフならば2インチ以上の降雨を集めることができる。費用効率はこうした性能の多様化には影響しないと予測される。

 

統合された管理戦略計画は、実践の性能をより詳細に評価することになる。不浸透性エリア1エーカーに費やす費用は1,000ドル以下から653,400ドルまで幅広い。費用の中央値は、およそ不浸透エリア1エーカーにつき16,000ドルである。

 

戦略的な計画
統合的降雨流管理は次のようなものである。

      • システムと環境における降雨流出の有害な影響を描写する。
      • 目的を打ち立てる 。
      • 幅広い代替案を開発して評価する。
      • 降雨流削減のために統合された手法を推進する計画を勧める 。
      • 計画を最善の形で実施するために必要な段階を見極める 。
      • 実施プログラムは、降雨流削減プログラム段階2の下に進められる。
      • 実施プログラムは、潜在的なパートナーと参加者を結びつけ、実施戦略を形にし、批評と評価を概略化し、長期的なプロジェクトとプログラムを立てるように行われるべきである。

 

-元記事:2011011.1.21投稿 本サイト再掲2016.5月-