バイオレテンションセルの設計指針

バイオレテンションセル(装置または施設)とは低影響開発を代表するものであるが、どのように設計したらよいのであろうか。下に、バイオレテンションセルの設計指針を簡単に表にした。

 

バイオレテンションセルの設計指針
集水域
● 8000~12000平米未満に制限する。
● 望ましいのは1エーカ未満。溜池の深さ
● 1時間に少なくとも5cmの速度で浸透する土壌では最大15cmの深さを推奨する。
● 浸透率が低かったり、より小さい集水域と合流するなど高い水圧負荷のかかる土壌では、最大7.5cm~10cmの深さを推奨する。
● ろ過増進のために砂質土や暗渠を用いる場合は、さらに溜池の深さを深くする。
● 緑地が限られている場合は、集水域が1000平米未満ならば深さを30cmまで深くした方がよい。
● 溜まった水はいかなる場合も、降雨後4~6時間で排水されるべきである。 

植物
● 以下の条件に耐えるものであること。
1. 予測される量の汚染物質
2. 土壌水分量の急激な変化
3. 池になるほどの水量変動
● 侵略的な品種でないこと。
● 在来種の利用を薦める。
● 樹木の太さは最低でも3cm。
● 生物多様性をつくるためには最低でも3種類の中高木と、3種類の低木を入れることが望ましい。
● 定期的な管理を必要とする品種は用いない。

 

土壌
● 以下の混合比を持つ均質な土壌であること。
・建設用砂:50%
・粘土含有率5%以下の表土:20-30%
・有機性落葉堆肥:20-30%
● pH 5.5 ~6.5
● 大きな樹木以外は、最小で60~75cmの深さが推奨される。
● 浅根性の植物の場合は、土壌深は45cmまで減らしてもよい。
● 大きな樹木の場合は、1.2m~1.35mの深さが推奨される。
● 土壌浸透率は1時間に4cm以上あるべきである。

マルチ
● 最大で深さ5~8cm。
● 新鮮な材料を使用。
● 一律にマルチングし、樹木の根元近くには積み上げない。
● 芝生の刈草は利用しない。地下水
● 装置下の地下水面は少なくともそこから60cm低いこと (または暗渠を用いてもよい)。 

勾配
● 15%以上の勾配がある場合はこの技術を薦めない。代わりにウィープガーデンを設計する。

 

汚染物質
● 超市街地における主要な汚染物質の懸念は、車、建物、屋上、縦樋などからの金属である。
● マルチで一杯に満たした浅いバイオレテンション域は、金属性の汚染物質除去を主要な目的として用いられる。

 

暗渠
● 土壌浸透率が1時間に2.5cm未満の現場で用いる。(暗渠を使用しない場合、土質調査/ジオテクニカル報告書が必要になる)
● アクセスしやすい掃除口を上手くつくる。
● 飽和地下水帯には配置しない。
● 植栽土壌の浸透率よりも大きな水圧処理能力を持っていなければならない。
● 暗渠に集められた水は、公共の下水道、小川の谷、排水低湿地、沿道の開放区域または既存の排水システムなどの適切な場所へ流れ込むように設計する。

表面流出
● 商業地や公共用地に設置する場合、集水域はかなり不浸透性である可能性が高いので、オーバーフローの設計が必要である。流入
● 不浸透性の集水域からの表面流出をバイオレテンションセルへと導くには、特別の設計配慮が必要である。
● 水は、うねを持つはめ込み式デフレクター・ブロックを用いることで、バイオレテンション域へと迂回する。
● 縁石のない舗装域でも、プレキャストの車両止めを舗道周囲に沿って置くことで、バイオレテンション域を保護することができる
● 駐車場からの表面流出水は、戦略的な場所で駐車場に組み込まれる植栽地と砂利トレンチの使用によって捕らえるようにする。
● 不浸透の割合が高い集水域では、集水を分散する技術を使う。
● 流入が3cfsを上回るとき、デザイナーは浸食の可能性を査定しなければならない。 

位置
● バイオレテンションセルは、建物や井戸、浄化槽などの腐敗施設の近くに設置しない。
● 設置は土壌圧縮を避けるために、公道などの交通量の多い地域から離れたところに位置決めをする。
● 駐車場の中に独立したバイオレテンション域(アイランド)を設ける場合、舗道域の下で浸み出て冬には霜柱を作ってしまうような排水の可能性を最小にするために、バッファー(推奨60cm)を用いる。またはその代わりに周囲に沿ってジオテキスタイル製のフィルタ・ファブリック・カーテンウォール(シート)を用いる。

 

-元記事:2008.12月投稿 本サイト再掲2016.5月-