グリーンインフラストラクチャーのための敷地特性を理解する

すべてのグリーンインフラストラクチャープロジェクトは固有のものである。一つとして同じものはない。だからこそ専門性の高い個別の解決策が必要である。

 

 

そのためのクライアントとの関係について述べる。

 

 

グリーンインフラによる「専門性の高い個別の解決策」をめざすには、クライアントの期待と敷地の特性の両方を完全に分析することが求められる。これは、両者の間に適切な適合を得なければならないからである。

 

 

クライアントはなにを求めているのか

 

プロジェクトは、クライアントが達成したいことをランドスケープアーキテクトの側が特定することから始まる。クライアントの要望の例としては、

 

  • 見て楽しむことのできる美しく緑豊かな環境。
  • よりよい緑陰の配置やパッシブ冷却効果、エネルギーコストの削減。
  • プライバシーに対するより大きな配慮、または見苦しい眺めを隠蔽すること。
  • ショッピングセンターのように、より多くの顧客を引き付ける環境を創り出すこと。

 

 

クライアントの目標は一つとは限らない。彼らの要望のすべてを引き出し、それから、それぞれに重み付けをする。どの希望が優先されるべきか。最も重要度の低いものとその重要度の低いものが描くビジョンを正確に把握しなければならない。たとえば、低メンテナンスな構造物により関心を示したクライアントであるならば、(向こうからの提案はなくても)低コストの解決策がクライアントの主要な目標の1つであると捉えるべきであろう。また、プロジェクトに関連してクライアントの予算上の制約を考慮する必要もある。もちろん、クライアントの期待と実現可能なビジョンとの間で、可能な限りのバランスをとることも重要である。

 

 

例えばの話であるが、クライアントが好むデザインは、そのグリーンインフラの構造や地域環境では機能しないこともある。また、面に植えられた植物が地面から6階建てのビルを覆うほどに育つとか、自然の意図よりも早く完全な高さに成長することを、クライアントが期待してしまうこともある。こうした夢見がちな期待はあらかじめ訂正をしておかねばならない。

 

 

敷地評価

 

敷地自身が、グリーンインフラプロジェクトにとって可能なことを示してくれる。徹底的な敷地分析が重要なのはこのためである。その際に、考慮する必要のある要因は次のようなものである。

 

  • 気候 – 気象条件、季節変化、気温の範囲、年間降水量、太陽の方向など。
  • 構造物 – 建物の高さや大きさ、耐荷重、利用可能なスペース、風力、現場での建物の位置、近くの建物からの影や光の反射、日影や日向が建物に及ぼす影響。
  • 敷地へのアクセス – 例:設置およびメンテナンスのための機械や、設備および材料用。これは、構造物の設置に使用される方法論に影響を与え、1つの敷地に適したものは、別の敷地には適していない可能性がある。
  • 建物の構造物の場所 – たとえば、一部の植物は太陽が十分に必要であり、南向きの壁面ではうまく成長しない。
  • 建物の側面 – たとえば複数の柱を持つプロジェクトでは、それぞれの要素に影響を与えるさまざまな要素があり、1つの壁全体でさまざまな側面のある解決策が必要となる。

 

 

グリーンインフラ(グリーンウォール)の実例

 

ワリンガ モール(オーストラリア)©tensile
クライアントが青々とした緑を望んでいたのでプロジェクトの重点はそこに置かれた。敷地の評価では、敷地上で考慮すべき微気候や他の店舗からの反射光があることが示された。

 

 


アドヴァンクス・アパートメント(オーストラリア)©tensile
このプロジェクトの場合駐車場の空気流量と植物が成長するかどうかに関する審議会の懸念があったという。審議会は、アートワークの設置を義務付ける開発者に条件を課した。環境の理解と植物の適切な混合のおかげで、植物は今ではアートワークを上回っている。

 

 

敷地の分析は、プロジェクトの成功に最も重要である

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