雨の庭による地下水の涵養:イオンモール常滑店雨の庭

公開日 2015年12月23日 最終更新日 2016年5月2日

 

イオンモール常滑店雨の庭TM (常滑市,愛知県,2015年)

常滑は愛知県の西部に位置し、降水量は約1500mmと日本の平均降水量よりもやや少ないが、年間を通して晴れの日も多くみられる温暖な気候である。冬場の季節風がやや強い。

 

イオンモール常滑の雨の庭TMは駐車場の硬質舗装面を流れる雨を集めて、庭のエリアへと導き、地中へ浸透させる細長い敷地である。面積的制約があるため、処理できる水量はさほど多くないが、雨の地中への浸透や植物による吸収を通じて、汚染物質の除去に務める雨の庭TMの効用自体は変わらない。

 

鉄製造形物

傘をさす太った猫や魚などの愛嬌のある造形物が雨の庭TMの存在を訪れる人に認識させる。魚のモチーフは、雨の庭TMのエッジ鉄板や排水管の蓋など、雨の庭TMに必要な構成要素随所で繰り返されるが、これは、「雨」をより身近に感じてもらうためのデザインであると同時に、機能性にアートを盛り込んで美観を向上させること意図した。

 

JXDAb(LID JAPAN )認定植物( JXDA 認定ゼリプランツ)
JXDAは、雨の庭TMの植物をJXDA(LID JAPAN)認定植物としたゼリプランツの中から選んでいる。ゼリプランツとは耐乾性のある植物だが、雨の庭TMでは植える場所によっては乾燥だけでなく突然の湿潤にも対応しなければならない。そうした植物を常滑の気候に合わせて選んだ(耐潮性および冬の季節風についての検討を加味)。黄金ヒバやグラス類は年中美しく維持されるが、これは汚染物質などの除去が年間通じて行われることを意味している。