雨を可視化させるという試み:イオンモール東員店雨の庭

イオンモール東員店雨の庭TM  (東員町,三重県,2013年)

日本で初めて商業施設内に設けられた雨の庭TMである。なおイオンモール東員店は環境に関しての賞を受賞した。東員町は三重県北部の丘陵地帯に属する町で、年間降水量は日本の平均降水量ほどの温暖な気候の町である。

 

設計上のポイントは次の3つである。

 

地域の水循環を保全
JXDAはこの雨の庭TMにおいて水浄化駐車場緑化システムを設置した。この商業施設の屋上駐車場に降った雨は、複数の縦樋を経て雨の庭TMへと導かれる。導かれた雨はそこで地中へ浸透するか、あるいは植物によって吸収される。雨水を下水に直接排出するのではなく、この緑地帯へ自然浸透させることで、車両から排出された汚染物質は土壌と植物の力で雨水から取り除かれ、雨は再び自然の水循環システムの一員となる。東員の雨の庭TMは、地域の水環境を健全なものとし、下水道の負荷を減少させ、水資源を大地や大気へ戻すものである。

 

雨水管理の可視化
雨水を管理することの必要性を訪れる人々にも認識してもらえるように、縦樋と鉄製の造形物を一体化して計画することで、実際に雨の日には、造形物へと流れ込む雨を目にすることができる。こうして、普段流してしまいがちであった雨を、風景に意識的に取り込む。遊び心のある造形デザインは、雨が降っていない時期であっても人々の興味をかきたてることに貢献する。さらに、雨の庭TMの手前に設置された解説板(看板)が、雨水管理の必要性や雨の庭のシステムについての理解を促進する。

 

JXDA(LID JAPAN)認定植物(JXDA認定ゼリプランツ)
JXDAはゼリプランツを元に、雨の庭TMの環境に適応する植物をJXDA認定植物としている(2016年現在LID JAPAN認定植物へ移行中)。これは比較的手間がかからず東員町の気候やこの敷地の環境に合うもので、汚染物質を取り込む効果を持つが、普通に緑化材料としても機能し、雨の庭TMをランドスケープ緑地として地域の美観に貢献させる。