小出兼久が選ぶランドスケープアーキテクトが読むべき本 (1)

kb01The Death and Life of Great American Cities
(『アメリカ大都市の死と生』SD選書118)
Jane Jacobs,1961 ジェイン・ジェイコブズ

 

1961年の出版以来愛されてきた古典であり、アメリカの都市について書かれた最も信頼できる所説である。都市をどのように安全にし機能させるか、そして、都市を保全しようとしたあまりにも多くの政府関係者の試みが、なぜ失敗したか?ニューヨークタイムズは「恐らく都市計画の歴史上、最も影響力のある著作」と評価している。

 

 

kb02The City in History:Its Origins, Its Transformations, and Its Prospects
(『歴史の都市明日の都市』新潮社)
Lewis Mumford,(初版1961), 1972 ルイス・マンフォ-ド

 

都市の様式と機能の歴史を述べ、都市および都会生活に対する将来を予言した書。この本は1962年に全米図書賞を与えられた。

 

 

kb3The Practice of Local Government Planning
(Municipal Management Series)
Charles Hoch,2000

 

国立ミューニシパル連盟によって1916年に公表されたこのテキストは、今は単に「政府刊行物」と呼ばれているが、アメリカで都市計画をするための基本となった。

 

 

kb04Civilizing American Cities: Writings on City Landscapes
Frederick Law Olmsted,1997

 

この本には、オルムステッドのニューヨーク、サンフランシスコ、バッファロー、モントリオール、シカゴにおける幾つかの公園計画とボストンパークシステム、バークレー(カリフォルニア州)とリヴァーサイド(イリノイ州)の郊外計画が記されている。アメリカの都市の歴史とその将来に興味を持っている人なら是非読んで欲しい。重要な1冊である。

 

 

kb05The Image of the City
Kevin Lynch,1968

 

都市の様式は実際にそこに住んでいる人々にとって何を意味するか。都市計画者は、都市のイメージを都市居住者が鮮明に記憶できるようにするために何を行うことができるのか。リンチ氏は、これらの質問に答えるために、ロサンジェルス、ボストンとジャージーシティに関する研究に裏付けされた新しい基準(イメージアビリティ)を公式化し、都市の建築物と改築のガイドとしてその潜在的な価値を見出している。

 

 

kb06The American City:What Works and What Doesn’t
Alexander Garvin,1995

 

都市計画史上決定的となったこの原典は、持っているもの・持たざるものを指摘し、アメリカの都市の持続的な問題を解決しようと務めている。どんな都市及び郊外のプロジェクトがこの国の中で成功したか?何が失敗したか、そしてそれはなぜか?ガルビンの本は技術書として読めるだけでなく、大学レベルで都市計画を勉強しているどんな人にとっても必須である。都市計画と設計業務を概説し、政策と展望の変化を明らかにし、国中の住宅と環境に対する関心を高めるような包括的論評を提供している。

 

 

kb07Good City Form
Kevin Lynch,1995

 

アメリカ都市計画協会誌は、本書を「これは重大な業績であり、刺激的で影響力をもった読み物である…」と評している。ケビン・リンチは、1959年のThe Image of City(上段参照)の出版で、都市形式を調査するプロセスに乗り出した。都市形状の規範理論に要求を定め、ユートピア的な地域社会と言われる初期の物質的なイメージを調査している。本書は、その彼の研究の総括であるだけでなく、都市の過去から未来の可能性を見ようとする展望の書でもある。

 

 

kb08The Next American Metropolis:Ecology, Community, and the American Dream
(『次世代のアメリカの都市づくりーニューアーバニズムの手法』学芸出版社)
Peter Calthorpe,1993

 

建築家で都市計画者でもあるピーターは、新都心回帰の最も強い支持者の1人であり、コンパクト(過去数十年間に展開を多く支配した、アーバンスプロール*という複合開発)に対する擁護をする。24の地域計画について、自動車への依存を減らし、住居、仕事、買い物およびレクリエーション地との距離が近くなったことに注目し、本の中で示している。

 

*アーバンスプロール…大都市から郊外に向かってだらだらと広がる自家用車依存型の都市化現象

 

 

kb09Cities of Tomorrow:An Intellectual History of Urban Planning and Design in the Twentieth Century
Peter Geoffrey Hall,1996(改訂版)

 

この本は、1900年以来世界の都市化を形成した概念、事象、および特性に対する概観の書である。郊外・田園都市移動(マストランジット)、地域計画の起源、「美しい都市」改革運動、摩天楼都市、「労働提供型特別持ち家制度」の都市、自動車郊外(アーバンスプロール)、理論の都市、また同時代の都市再開発と19世紀のスラム街を処理するという10章で構成されている。

 

 

kb10A Pattern Language:Towns, Buildings, Construction
(『パタン・ランゲージ-環境設計の手引き』鹿島出版会,1984)
Christopher Alexander, Sara Ishikawa, and Murray Silverstein,1976

 

「素晴らしい….ここにはあなたが住むか働いている ― メトロポリスから部屋まで ― どのようなスペースでも設計や再設計できる方法が詰まっている。あなたはその空間に何が起こって欲しいかを考えてこの本のページを繰りなさい。その徹底的に地味な観察は、あなたに最善のアイデアをひらめかせ、それを強化して組織化して、その結果、不思議な家や仕事場が生じることになるだろう。-サンフランシスコ・クロニクル」

 

本書は、自分たちのコミュニティや家庭で意見を述べて、よりよく互いとコミュニケーションするために人々が使える言語を提示するという目的を持って、素人のために作られた。

 

 

kb11The Power Broker:Robert Moses and the Fall of New York
Robert A. Caro,1975

 

ロバート・モーゼスは、第二次大戦前のニューヨーク市のプランナーであり、公園局長である。選挙で選ばれたのではなく、最も偉大なるNY市長ラガーディアに任命された職員である。本書には、モーゼスが、市内の公園、橋、道路などの建設プロジェクトをどんどん手掛け、ニューヨークの建設関連部門を一手に握り、ニューヨーク市議会だけでなく州議会、開発業者、銀行、建設会社、労働組合、メディア、果ては宗教界に至るまでを味方につけて、州知事、市長もその前に屈せさせる巨大な権力を持つに至る過程とその栄華の終わりが記されている。功と罪のどちらか一方でロバート・モーゼスを測るのは、無理がある。それほどこのNY市建設部門の「帝王」はすごかった。「20世紀のアメリカの都市の歴史は、この並外れた本で始まる。」(ニューヨークタイムズ)

 

 

kb12Edge City:Life on the New Frontier
Joel Garreau,1992

 

最初そこはダウンタウンだった。その後郊外ができた。その後モールができた。その後アメリカ人は、彼らがどのように住み、働き、遊ぶかについて、100年で最多の大改革を始めた — エッジシティー。

 

 

kb13The Geography of Nowhere:The Rise and Decline of America’s Man-Made Landscape
James Howard Kunstler (1995)

 

この本は、国の大通りから地域社会に至るまで全ての場所がつまらない場所となっている都市はデッドゾーンであり、そして田園地方は、風刺画的建築物と駐車場に満ちた不毛の地であると言っている。そう言いながらアメリカの発展史をたどる。Kunstlerは、アメリカの車社会が支払う莫大な経済的社会的精神的コストを指摘し、愛すべきコミュニティを復活させるためには、都市の芸術と生命を復活させることが肝心だと述べている。そうすれば、我々は公共の美徳と共有財産の新しい展望を再発見するだろうとも言っている。

 

 

kb14The Urban Villagers
by Herbert J. Gans (1975)

 

ウェスト・エンドと呼ばれるボストンの中心商業地域に近隣するスラム地区で、他のエスニック・グループをそこに受け入れたイタリアの譜系の生粋の米国人による報告書。

 

 

kb15The Essential William Whyte
William Hollingsworth Whyte,2000

 

ウィリアム・ホワイトの調査の結果は、我々の都市で進化するものに対する、非常に人間的で面白い注視である。

 

 

 

 

kb16Design With Nature(『デザイン・ウィズ・ネイチャー』集文社)
Ian L. McHarg,1995 イアン・L・マクハーグ

 

コミュニティの設計に対する生態学的アプローチを適切に説明したイアン・L・マクハーグの処女作。彼は、自然と共に設計する公共の環境政策を形成するために過去25年にわたって多くを残している。300枚を越える豊富なカラー写真と線画が入っている。

 

 

 

kb17Nature’s Metropolis :Chicago and the Great West
William Cronon,1992

 

19世紀までのシカゴの歴史を綴ることによって、アメリカ合衆国内陸部の開発について、フロンティアから都会がどう作られてきたのかを述べている。生態学的、文化的、経済的に一つの都市を広範囲に見渡した歴史書である。Crononは、アメリカのゲートウェイ都市がフロンティア植民地特有の特徴を持ち、西洋的なランドスケープによる植民地として開発されたとしている。我々は彼のこの草分け的な活動から、19世紀のアメリカという歴史環境上の展望を与えられる。1992年ピューリッツアー賞受賞作。

 

 

kb18Silent Spring『沈黙の春』 新潮社
Rachel Carson ,1962

 

通常たった一冊の本が、歴史を変えることはありえない。しかし、本書レイチェル・カーソンの『沈黙の春』はまさにそれを行った。1962年に本書が出版された後に続いた抗議は、DDTを禁止することを政府に強い、我々の土地と水に関する法律の革命的な変化に拍車をかけた。カーソンの本は、環境計画のムーブメントを始めるのに役立った。アル・ゴアJr.が序文を書いている。

 

 

kb19Planning in the USA:Policies, Issues, and Processes
Barry Cullingworth, and J. Barry Cullingworth,1997

 

計画のポリシー理論と実践に対する包括的な入門書である。土地利用、都市計画と環境保護ポリシーを概説し、計画プロセスの性質について説明している。

 

 

 

kb20Great Streets
Allan B. Jacobs,1995

 

世界の最良の街の数々と、それらを大きくした物質的特性のうち、設計することができることは何か。この質問に答えるために、アラン・ジェーコブスは街のユーザーと設計専門家を調査し、世界中のさまざまなタイプの街と都市空間を研究した。本書は、200を越えるイラストですべて著者によって準備された分析と統計学を図示しながら、大きな街を系統的に比較している。街路の寸法、役に立つ計画、作用とパターンなどについての豊富な情報を提示するものである。