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雨水の敷地からの流出を抑制する方法のひとつに、浸透性プランターがある。
浸透性プランターというのは、フィルター機能を持ったプランターのことで、イメージとしては、底の抜けたプランターを地面に設置した感じである。植栽地でなく植栽マスの類で、三方あるいは周囲を縁取った花壇形とするので、便宜上プランターと呼ぶ。壁の材質が透水性なのではなく、その立体空間全体に、水を浸透しろ過するフィルターの役目を持たせたものを言う。
浸透性プランターと低湿地(swale)
浸透性プランターと低湿地は似ているが、設置状況が異なる。どちらも、敷地内に降った雨の流出を抑制するという目的のために設置する。しかし、基本的に、低湿地は舗装面からの集水を利用するもので、浸透性プランターは建物屋根からの集水を利用するものである。建物屋根からの集水を低湿地に流入させてもよいのだが、通常、建物屋根からの集水は舗装面のそれに比べて集約的で、また、建物にも近接するため、豪雨対策からフィルター構造(浸透トレンチ)をとる必要がある。低湿地は、通常浸透させて終わりという仕組みとなり(低湿地の設置を参照)、低湿地から排水管をさらに設ける場合には、チャネル(チャンネル)※と呼ばれる設計となる。※これについては後日紹介する。
浸透性プランターの特長
● 建物屋根からの集水を導く
● 縦樋や縦樋からの送水管からの水が浸透する
● 豪雨に備えて、オーバーフロー管を付ける
● 必ず浸透トレンチ式にして、流出管も付ける(それでも雨水流出は抑制できる)
● 三方あるいは四方を縁取りされ、底がないか一部の底が浸透トレンチとなる
● 建物に隣接して配置する
● 低湿地に比べると、建物基礎の防水、浸透トレンチなどやや手間がかかる
浸透性プランターの利点(まとめ)
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● 屋根からの雨水流出を抑制する(都市型洪水の緩和) |
浸透性プランターのデザイン例

従来の植栽マスを浸透性フィルターとして作った例:
玄関アプローチの両脇に設置してもよいし、バックヤードのテラスに隣接する形で設置することもできる。破線で示しているように、建物屋根からの集水管をプランターまで引き込むことが肝心なため、建物に近接して設置するのが一般的である。





