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多くの国の夏が長く暑いものへと向かっている。このぶんだと地域社会は、金銭だけではなく水不足に対処する方法を見いだすことも強いられそうである。
とはいえ、毎日の新聞の見出しからは、経済危機の嵐がまだ終わっていないことが明らかになっている。
この難しい経済状態を鑑みるならば、効率を高めるために、あらゆるドルが賢明に使われなければならないだろう。そして同じくらい重要なのは、水資源のきちんとした分配である。が、それは、地元や州、連邦レベルでの調整が必要となる。
渇水は、荒廃をもたらす。
2000年に米国海洋大気局によって公表されたレポートは、かんばつとドルの間には直接的な相関があり、20年間のかんばつと熱波浪状態の結果として10億ドル以上の収益が失われることを示している。最近では、水質浄化団体協会は、カリフォルニアの“供給危機”の結果が収入低下と失業を招いたと発表した。
もちろんその状況はカリフォルニアだけに限ったことではない。
ある予想では、国内のほぼ半分の40州が2013年までにかなり深刻な渇水に見舞われることが示されている。
このように給水問題は、失業や商業地や住宅地での管理費の増加といった―否定的な影響を含むきわめて現実的で定量化可能な財政問題―に結びつく可能性があるので、必要以上の損失を出さないためには、水が貯蔵され、供給され、賢く使われることが確実になるような、鋭い視点を持った強固なパートナーシップが必要となる。今こそ、水効率の専門家、特に地元や国家レベルの水供給者にとってそうしたパートナーシップを気づく時期である。
水提供者の役割は、供給と送水を管理し、雨水流を制御し、水質と汚水処理をモニターすることなど、いろいろな責任を含んでいる。このため、水供給者は、地域社会がきれいで信頼できる水に依存できることを確かめつつも、プロジェクトを監督して問題を解決することも課されており、つまりは、多層の仕事を片付けるマルチな人とならなければならない。
言い換えると、彼らの仕事は水資源管理を集積化するものであり、水の供給に関わる者はそれぞれ、単独で仕事をしてはいけないということである。
うまくいく水資源管理とは、その行動指針を考えるときに、多重水管理の視点に立った考慮が含まれる。それが実際に必要なのである。
これは、水資源管理という手近な問題に最高の解決案を見いだすために、タスクフォースあるいは、同種の機関との協同を伴う可能性があり、そうした協同のすえに河川流域計画、水保全促進活動、送水路涵養計画などが出されてきたことは事実である。
そしてまた、水需要にはたいていの場合、競合する需要が多々存在する。そのため、可能なかぎり多くの利害関係者を水資源管理のプロセスに関連させることも重要である。
統合化された水資源管理の実施が状況に依存する一方で、“全水管理:Total Water Management”は給水開発においてすべての“統合指導者”への編入を記述するために生み出された。
1996年に、アメリカのWater Works Association(水利事業者協会)は、Total Water Managementを社会と環境の最大限の幸福のための水資源管理運動と定義した。その同じ葉脈の下で米国下院は、将来の世代に十分な給水を与えることを確実にするために、見通しのきく進路を提供しようと、先だって、全米水研究開発発議法(国家の研究開発作業を調整するよう命令することによって、本質的には全体水管理が法律をとして制定されたもの)を通過させた。
法案の作成者であり科学・技術委員会の議長でもある、バート・ゴードンは声明の中で以下のように述べている。
連邦機関の活動と州や地域の政府によるより強固なパートナーシップは、連邦政府のプログラムが最大の懸念域と注意している分野に対する我々の努力が補完的で効果的であることを確実にしてくれる。
ひどい渇水は深刻な経済インパクトを引き起こすが、我々は、米国が将来の水の難局に対処できることを保証する新しい連邦政府の約束を必要としている。
水保全の専門家は、単に、開発と水の循環の制御という分野での役割を果たすだけで全体の水管理にすでに参加しているとうまく主張することができる。
それは、それぞれの専門家の主眼が計画と管理にあるのか、競争的需要のバランスにあるのか、公衆衛生の保護や生息地防御にあるのか、それぞれ異なる政府の意思決定者や利害関係者の部門の調整を促進することにあるのか、そのどれにあるかにかかわらず、これらの仕事人はみな、全体水管理をしていることになる。
このような考え方は決して悪いものでない。なぜならば、本当の水効率とは、統合した水資源管理とだけ一緒に起こりうるものであるからだ。今回の全米水研究開発発議法がその目標に忠実でいようとするならば、それは結局、全国的にみても、水利用の効率向上プログラムへの道を開くものとなるだろう。



