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文:小出兼久
サステナブルデザイン(持続可能な設計)は、最初から設計に雨水を組み込む。
屋根の降雨は樋を滑り落ち、歩道から外へと流れ出す。道路の傾斜に沿って水は流れ、他の屋根から噴出した雨水とともに雨水管や下水管へと流れ込む。その途中で、道路にあった汚れや油、ごみは、雨水によって掃除されて、下水管の中へと押し流される。そして管を通り、近くの水路か湖へと吐き出される。その間に、事業主は、潅水用の水道代やエアコンの電気代を含む高額な光熱費を支払っている。この短時間の豪雨の間、このシナリオが何千という道路で繰り返されているのである。
もし我々が小さな部分であっても変えることができるならば、雨水を敷地内で維持することができるとするならば、どうであろうか?事業主に、光熱費の請求書を破ってしまえといえるだろうか? そして、もし我々がこの方法を、コミュニティにある各オフィスビルや住居にまで拡大して当てはめることができるとしたら、どうであろうか?
グリーンビルディングというコンセプトの提唱者は、このシナリオは我々の手の届くところにあると言う。 持続可能な開発の利用によって、コミュニティは、「管の末端」構造物から敷地内での処理まで、雨水を管理することができるようになった。費用は多くの場合より安く、また、結果は安全で、より清潔な環境となる。いくつかの要因が雨水管理におけるこのパラダイム・シフトを動かしている。国家汚染物質排出防止システム(National Pollutant Discharge Elimination System(NPDES)のフェーズ2規定に合致させることは、多くのコミュニティに雨水の流れを従来と異なる方法で導くことを研究することを、強いた。利用可能な土地の減少と水質の低下は、住民に、これらの価値のある資源を利用する改善策を考慮させるようになった。 しかし、予算は現状の範囲での処理が求められ、また、市単位では、多くのプロジェクトに費やせる長期資金の量は減っている。したがって、一群の技術と方法論は、NPDESの規則に対応し、かつ調節池や処理場に土地を割くことなしに水質を向上させることができるのならば、人々はそれらを考慮するのに自発的にならないはずはない。
持続可能な開発は、複数の名称で呼ばれ、また、複数の方法がある。全米緑の建築審議会(USGBC:US Green Buildign Council)は、環境の健全性を評価する基準を導入した。別々の産業の指導者からなる国内の団体として、USGBCは、LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)という緑のビル格付制度を編纂した。この格付と認証システムは、持続可能な開発ならば満たしていなければならない、特定の指標の概略を定めたもので、建物は、いくつかのカテゴリーで(基準を満たせば)それぞれのポイントを得られるようになっている。雨水の部門で、LEEDビルディングと認定されるには、汚染物質の量を制限し、流出率と流出量を管理しなければならない。
LEEDの基準にあわせるために用いられる技術は、屋上緑化、雨の庭などを組み込むこと、低湿地と湿地を構築すること、透水性アスファルトで駐車場を舗装すること、灌漑としての雨水の再使用などである。 公害ではなく資源としての観点から雨水を考えるには、最新の展望が必要であり、このコンセプトは新規設計や新規施工の中や、開発地域の改装や、埋め立てにおいても利用することができる。
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