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左:同名書籍(c)George Devault
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雨が降らない時には、植物に灌水をしなければならない。ドリップ灌水システムならば、費用も安く、水量も従来のスプリンクラー灌水の半分で済むので、時間も水も節約できる。 |
ホースでの水やりを止める
多くの人は、ホースを使って手で水をやる方法でも、非常に満足したものであると思っているかもしれない。しかし、実際に土を掘ってみると、その水は、表面数インチの土のみを湿らせているにすぎないと気づくだろう。
そして、ほとんどの人は、水やりにかかる時間や手間に我慢できなくなっている。例えば、長さ20フィート、幅3フィートの野菜畑に、夏の間に必要な水の量である数インチかそれ以上の給水をするには、少なくとも30分かそこらはホースを握っていなければならない。(ホースが毎分2ガロン(9リットル)の水を供給できると仮定しての話である)。
また、たとえあなたが我慢強かったとしても、ホースから流れる水の速度は速く、その大部分は土にしみ込まずに、地表面を流れ去ってしまう。
では、手まきの水やりではなくて、灌水ならば何でも良いかというと、そうではない。スプリンクラー灌水は、ドリップ灌水と比較をすると欠点を持っている。
スプリンクラーは、植物の病気を蔓延させる、特に、葉がすぐには乾かない夕方などに灌水されると、その危険は増す。また、スプリンクラー灌水は、ドリップ灌水よりも水の使用量が多く、雑草にまで水をやってしまったり、通路に水混じりの泥を跳ねさせて泥だらけにしてしまうことがある。最善の策は、ドリップ灌水なのである。・・・
こう述べるのは、コーネル大学・園芸科学部の准教授 スティーヴ・レイナーズ氏で、灌水に関してさらに続ける。
・・・中国のことわざが言うように、最高の肥料は、農夫の足跡であるかもしれない。しかし、ここに世界中の全ての肥料と靴の革があったとしても、水なしでは何も作れない。
それは、イスラエル、南カリフォルニア、ペンシルバニア南東部のような場所、つまり、砂漠地で耕作をする誰にでもちょっと尋ねてみるといいが、このような場所で、私と家族は、証明付きの有機野菜、切花、ハーブ、ブルーベリーの畑を4エーカーまで増やすに至った。
ここでは、通常、一年におよそ40インチ(約1000mm)の雨が降る。しかし、トラブルは、我々が1年以上も通常の雨量に達するほどの雨に恵まれなかったという点である。
3年前に起こった過去100年間の中で最悪のかんばつに比べれば良くはなってはいるものの、現在、ペンシルバニア州のほとんどの地域は、史上最悪のかんばつに直面している・・・」
我々がそれを、地球温暖化、温室効果、エルニーニョまたはラニーニャのせいにするかどうかに関係なく、干ばつによる非常事態7年間という厳しい現実が、ペンシルバニアで宣言されて5年である。州と連邦の農業当局は、現金取引の穀物農夫に対して、農業保険を購入するように説得している。オーガニック市場と取引をするガーデナーのように、彼らの農場は、そのプログラムの資格があるわけではない。その代わりに、彼らが知っている最高の収穫保証として、自らが苦労して手に入れた現金を投資したもの-それは、ドリップ潅水設備であったと言う。
「・・・幾つかの事例では、例えば、2、300ドルの投資をしさえすれば、最も干ばつが激しい年にさえ、灌水システムは、1エーカーにつき15,300ドルもの総額を、高い価値のある有機野菜や花からもたらしてくれる。
これは、多くの農夫が、豊作の年に、200エーカーのトウモロコシ畑や261エーカーの大豆畑、あるいは、424エーカーの小麦畑から得る収入に相当する。我々のこの灌水設備は単純で廉価であり、また、住宅の庭でも十分に機能するものである。
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