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豪雨を非難する聖ニコラウス
St Nicholas Rebuking the Storm, (1433) アシュモリアン博物館
この絵画はかつては祭壇飾りの一部であったが、水夫の守護聖人である聖ニコラウス*が司教の衣を着て、水夫を豪雨から救い出す姿が描かれている。
豪雨の中、船は一方に傾き、帆は破れ、マストは壊れ、積荷は海に投げ捨てられている。波の高さは、荒れた海の動きを連想させ、水夫の必死の祈願によって呼び出されたニコラスは救助へ向かう・・それを見た、悪魔の海の精霊を象徴する人魚やセイレーンは、泳ぎ離れていく。
青、緑色に塗られた海の下地の白は雨と波を表現している。
*海運の守護聖人とも子供の守護聖人とも言われ、一説にサンタクロースの元となったと言われている。
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