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ヒートアイランド測定
ヒートアイランドは地表温度や気温を測定することによりあきらかにされる。
地表温度測定
衛星画像は、地表からの放射排出を記録するひとつの例である。それは屋根、舗道、植物、裸地、水などの陸上からのエネルギー反射と放出を記録する。こうした物体の表面はすべて、波長の中に放射される熱エネルギーを発しており、これらの波長はリモート・センシングにより、確認し測定できる。リモート・センシングは、遠方の物体および素材の関係を「捕らえる」ために計器を使用して処理をする方法である。
衛星の利用
都市の中には、ランドサット衛星データを利用して、土地の被覆を分類してヒートアイランドを明らかにしようとするところもでてきている。ランドサット7衛星はアメリカの衛星で、地球の地表面と周囲の海岸地域の画像をリモートセンシングにより獲得すると、そこから私たちは地表温度を引き出すことができ、ヒートアイランドを評価するための情報を提供する。
気温測定
都市ヒートアイランドを描いたグラフィックは、都市の特徴的な気温側面図を示す。気温は、通常標準的な気象観測が行われる、地上約1.5m〜1.8mで測定される。この図を作るためには次のようなものを含むさまざまなデータソースが必要となる。
- JXDAの都市の気象ステーションネットワーク
- 気象庁 測候所(国内)
- NASA(米国)
- 米国の気象研究機関
- 大学&研究機関
これらのデータソースは気温の長・短期的傾向を明らかにするために必要である。測候所の中には100年以上に渡って気温および他の気象データを観測し記録しているところもある。
地表温度と気温測定の欠点
- リモートセンシングを使用して得られた表面測定は、完全には建物壁のような垂直面からの放射排出を捕らえない。これは、設備が第一に街路や屋上、木の梢ような水平面からの放射を主として観察するからである。
- リモートセンシングによるデータは、波長が地球から大気圏までと同様に太陽から地球まで旅行するので、二回大気圏を通過した放射を表している。したがって、日射反射率などの表面の固有性を正確に評価するために、データを修正する必要がある。
- ヒートアイランドを評価するために気温測定を用いることは面倒で、市街と都市に近い非市街地域に気象ステーションを設置しなければならない。研究者は、計測、サンプリング、データ記録方式およびステーションの微気候による変化を考慮する必要がある。
- 気温は測定する高さによっては、いろいろな表面の熱特性について信頼できる指標を提供しないことがある。なぜならば、大気は流動する特性を持ち、表面と気温の関係は高度が上がるにつれて薄れていくからである。
こうした欠点があるにもかかわらず、依然としてリモートセンシングによるデータは、都市のヒートアイランドを効果的に表示する方法である。また気温は、ヒートアイランドによる影響の厳しさを測る有効な指標として、ヒートアイランドから受ける影響のほとんどと結び付けて考えられている。
地球気温記録からヒートアイランドによる影響を取り除く
都会化が街の郊外に位置する天気ステーションに押し寄せたために、ヒートアイランドにより長期的な気温記録がゆがめられてしまうことがある。この場合研究者は、正確な気候変化を記述するために、地球気温記録からヒートアイランドによる影響を取り除く必要がある。
都市の気象ステーションで観察された温度傾向におけるゆがみを最小限にするために、研究者は、中層大気の温度観察と、都市と農村の両方から幅広い地理的データのサンプリングをしなければならない。そして、都市化された地域の記録を調節し、農村に近接する気象ステーションからのデータで整合性を強化した、地球規模の温度記録の新しい分析を導きだすことが求められる。
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