|
低影響開発の仕組み
リッドは、新規計画の初段階であろうと既存敷地であろうと、どこでもどのような計画においても実践することができる。個々の住宅、集合住宅地、商業施設、工場用地・・さらには、繁華街の都心、郊外、田舎でも実践することができる。ただし、具体的な手法は個別の敷地条件によって変化する。そこでリッドを推進するために、米国ではあちこちの地方自治体が地域にあった規則(開発条例)を設け、実践をしながら改訂を加えている。この試みはまだ始まったばかりである。我々JXDAは、2002年からのゼリスケープ・水保全活動の一環としてリッドに興味を持ち、地域におけるリッドの研究を行っている。時に米国に出向いて視察をし、関係者の話を聞き、セミナーやシンポジウムに参加をして、より深く理解してきた。
以下はシアトル市公益局の資料である。
リッドの仕組み
 |
|
(c)シアトル市公益局
|
●自生植生保全区●
地域に自生の植生、在来林、未開発地を、開発地区に取り込む。(保全する)
●浅い窪地●
浅い窪地とは、地表を流出する降雨が、レインガーデン浸透域(低湿地やバイオスウェルも同様)へと導かれるように作るものである。
●装飾的自生植物●
地域の植生を回復・保全するために、自生種の利用は勧められるが、草花など装飾的にすぐれたものを選び、住宅周辺、花壇などに適用する。自生種でなくとも、住宅周辺、建物周辺の庭は装飾的であるのが、一般デザインである。
●透水性デッキ●
テラス、デッキ、小径などの硬質地表の材料を不浸透性ではなく、透水性のものにかえる。デッキの場合、デッキ材の下の基礎を浸透出来るように保っておく。
●低木植栽(自生種)●
デザイン的に低木を植栽するにあたって、自生種や地域気候にあうものを選ぶ。
●レインガーデン浸透域●
敷地に降った雨を導き、浸透させて処理する。植物は湿地にあったものを選ぶ。
周囲を開放的な作りとし、四方からの流入を許可し、大きな水の道へとつなげる。
資料) (c)Puget Sound Action Team, office of the govemor , State of wathingoton.
|