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低影響開発

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バイオレテンションによる都市緑化

 

 


JXDAが米国において研修と実践研究を重ねてきた都市緑化(外構も含む)は、低影響開発というプログラムである。このプログラムは、自然の原理を基にした革新的な雨水管理の方法である。Low Impact Developmentの訳語で、頭文字をとってL.I.D(リッド)と呼ばれる。

都市の緑化と言っても、その対象となるのは商業地から工業地、公共用地、果ては住宅地まで多種多様であるが、以下のような機能的ランドスケープ装置を用いて都市の緑化を遂行する。

 

機能的ランドスケープ装置の例

・ バイオスウィル(生物湿地・低湿地)
・ バイオレテンション(生物滞留池)
・ 浸透性プランター
・ ウォーターチャンネル(水の道)
・ レインガーデン(雨の庭)

 

機能的ランドスケープ装置の目的

L.I.Dで使うこの装置の目的は、蒸発散を促進し、土壌の多孔量を保全し、生物活性を促進し、土壌や植物への汚染物質の取込みを促進し、水質改善に務めることである。都市の舗装などの不浸透性地域に降った雨の表面流出水は、この装置へと導かれ、草木、マルチ、土壤に水が浸透し、ろ過された雨水が地下水を補充したり、植物に吸収されて、やがて植物から蒸散される・・といった自然の水循環に積極的に組み込まれていく。

機能的ランドスケープ装置は、土地の種類や環境に限らずに、どこででも、土地開発計画全体にわたって、水源(降雨)近くでの流出を遮断するために戦略的に配置すべきであり、忘れてはならないのは、たとえ既存の材料や人工装置によって(浸透、濾過、浄化について)同程度の効果が期待できるとしても、それよりも優れた点は、この自然の装置がランドスケープ(造園)を美的に満足させるということである。

 

超市街地の改造

バイオレテンション(生物滞留池)のようなリッド手法は、その多くが道路や駐車場、建物といった既存のインフラに組み込むことが容易で、また、どのような敷地においても少量の土地利用で済むために、特に、都市の改造計画に適した降水管理の手法である。
 バイオレテンション技術を上手く取り入れた超市街地の改造事例に、ワシントン海軍工廠地区がある。これは、チェサピーク湾とアナコスティア川、ポトマック川を維持し、水質の回復を促進する総合的なイニシアティブの一部として、ワシントン海軍工廠で駐車場の周囲やさまざまな場所にある駐車マスの間に、バイオレテンション域を設置したものである。その装置は、一般にはバイオレテンションセル(cell)と呼ばれるが、その場では最小限の障害物となりうるも、この事例では駐車スペースは既存の数で維持されている。そして、すべてのバイオレテンション域は、一般に降雨がよくたどる経路を遮り、少なくとも不浸透性の全駐車空間地表部分の約半分の面積から流出する雨量のうち、最初の0.5インチ分(初期降雨)を処理できるように設計された。これによって、汚染物質がろ過されるだけでなく、表面流出水は、既存の降水管渠システムを通ってアナコスティア川へと運ばれ排出されるよりも前に、現地でその量とタイミングを制御されている。 また、フロリダ州タンパにあるフロリダ州立水族館では、年間70万人もの訪問客が利用する11.5エーカーのアスファルトとコンクリートで作られた駐車場における降雨管理計画の一部として、駐車マスの間にバイオレテンション域をうまく設けている。
 一般に、バイオレテンションの技術は、計画の新旧(旧とは改造・再開発計画などを指す)を問わず、大きめのオフィスパーク*と商用駐車施設における降雨管理基準に合致していると証明されている。

廃水処理の知識や文献調査によって、土壤や植物が水を利用して、汚染物質をろ過する作用があることも認められている。

 


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