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水効率の良いソーカーホースシステムを作る

By Donna Pacetti & Liz Gardener, Denver Water, "Waterwise", summer 2005

 


安価でDIY方式で、野菜や草花、さらには低木にも水を効率的にやりたいならば、タイマー付きの独自のソーカーホースシステムを自分で作り、設置することである。
灌漑の専門家であるドンナ・パセッティは、灌漑初心者であるリズ・ガーデナーに、どのようにしたらよいのかを教えてくれた。とても簡単でかなりの量の水損失を減らしてくれるので、それを紹介する。
手順はとても単純で、作業も簡単であるが、いくつかの項目は腕っ節の強い友人などの助けが必要となるかもしれない。

 

ステップ1
灌漑の配管図を描く。
(右のリズの図を参考に)

ステップ2
必要とするソーカーホースの長さを算出する。(図中のAの両脇にある線はソーカーホースを表す。2本の線に囲まれた斜線部分は畝である)リズの菜園には11の狭い野菜の畝があり、それぞれの畝に2本ずつソーカーホースが必要である。(ソーカーホースから浸み出る水はホースの両側6インチ:約15センチの幅に広がるので、これを参考に面積に対して敷くホースの数を出す)ソーカーホースは安価なので、計算ではおおよその目安としての数量がだせればよい。次のとおり

ソーカーホースの長さ
11畝×2本のホース×30フィート/本=660フィート

合計で660フィート(約200m)の長さのホースが必要である。
ソーカーホースは、ガーデンセンターや家のリペアショップ、会員制の問屋で購入することができる。いくつかのメーカのホースを混在させる場合には、送水が等しく行き渡るように、直径と厚さが同じものを使わなければならない。

ステップ3
必要とする主管の黒のプラスチック製灌漑パイプ(以下・ポリパイプ)の長さを算出する。(図中Bが主管のライン)さらに、水栓またはその接続部からBへとつなぐ、基管のパイプ(図中C)の長さも計算する。

ステップ4
パイプとパイプをつなぐ継手の数を数える。継手は、まずラインBとソーカーホースAをつなぐために必要で、リズの庭では、20個のT字継手と2個のL字のエンド、そして散水栓とラインBをつなぐための大きなT字継手がひとつ必要である。継手の大きさは、L字エンドには5/8インチ、分岐のT字継手には、3/4インチまたは1インチの正しい大きさの継ぎ手を使わなければならない。

ステップ5
要な品は購入して、下のリストにある全てのツールを集める。

  • ガーデン手袋
  • ゴム木槌
  • ペンチ
  • 長手のジャッキ(ピンチクランプを絞めるのに使用)
  • パイプの端に油をさすための植物油
  • パイプカッターなどパイプを切る器具
  • 直径1/2インチのソーカーホース(ステップ2で算出した量)
  • 直径1/2、3/4または1インチの黒ポリパイプ(ステップ3で算出した量)
  • ラインBとソーカーホースをつなぐ継手(ステップ4で算出した数量)
  • ソーカーホースの末端につける直径1/2のエンド(ソーカーホース支管1本につき1個)
  • 直径1/2、3/4または1インチのポリパイとラインBをつなぐ継手
    (寸法はポリパイの内径に応じて決まる)
  • コーナー(L字)継手(リズの場合は2個)
  • T字継手をホースやメインパイプへとつなぐためのピンチ・クランプまたはギアドライブ・クランプ
  • タイマー(もしシステムを自動で作動させるのであれば)

ステップ6
ポリパイプを太陽に数時間さらし暖めて真っ直ぐにし、したい形状にあわせる。冷たいまま、コイル状のものをまっすぐにするのは、本当に難しい。また、暑くなりすぎて触れないことがあるので、ガーデン手袋をしてこのプロジェクトを進めることは、本当によいアイデアである。

 

ステップ7
すべてのパイプとソーカーホースを配置し、作業を始める前に、すべての接続部の数と継手およびクランプの数が合っていることを確かめる。作業を始めてから、途中で店に駆け込むことのないようにする。

ステップ8

パイプカッターを使って、T字継手の間に入れる黒のポリパイプを切っていく。一度にすべてを切るのではなく、T字継手がパイプに入って打ち込まれる幅に変化をつけたりカーブを考慮にいれながら、その場所に行って切るようにする。

 

ステップ9
植物油を少量指に付け、ポリパイプの内部に油をさす。パイプに継手を入れるのをより簡単にするために、灰色の継手の外側にも油をさすのもいいかもしれない。

ステップ10パイプを継手にねじ込む前には、必ずクランプをパイプに付けるか、または、パイプのまわりにギア・ドライブ・クランプ使ってパイプを広げてから、パイプの周りに付けるようにする。
リズは、右の継手の右側と同様に、左の継手の両側にクランプを付けるのを忘れてしまった。パイプを開いてクランプをつけることは苦痛である。(リズはそのポリパイが何年も経っているから苦痛なのだと信じているようだが、これは多分に希望的観測だろう。)クランプと継手を付けたら、ゴム木槌を使って、ポリパイが継手に完全に入るまで打ち込んでいく。長手のジャッキを使ってパイプに取り付けた各クランプを絞め、パイプが継手にぴったりと収まるようにする。すべてのポリパイを接続し終えるまでこの手順を繰り返す。

 

ステップ11
同様の手順で、L字コーナー継手を付ける。

ステップ12
ソーカーホースにゴム木槌を使って、エンドキャップを付ける。

ステップ13
黒のポリパイの中間から散水栓から水を送水するパイプまでつなぐために、黒のポリパイの全長の中心にT字継手(大)を取り付ける。

ステップ14
散水栓からのパイプも黒のポリパイにする場合は、そのパイプと散水栓やタイマーを接続するために、ネジ山のあるワンタッチ継手のような接続部品が必要である。部品のネジ山は、蛇口にあったサイズでなければならないので、正しいサイズを確認する。

ステップ15
背中をたたき、冷たい物でも飲んで一息入れる。
一休みしたら、友人や家族にあなたの仕事を見て貰おう。そして何を植えるか考え始める。リズは、ソーカーホースの両側に種を蒔いた。植物は、両側に植えることが出来るが、千鳥にして(互い違いに)植えると良い。
ホース・システムに関する唯一の問題は、ゾーンにつき制限時間がありながら、十分な水を給水することである。ソーカーホースは、1分間に数インチの代わりに1時間に数インチ水を出す。このためホースは長い時間稼働させておかなければならない。しかしながらそれは、あらゆる春と夏の気候の間給水でき、蒸発で多くを失うことなく植物にまだ水をあたえることができる。

春は耕す季節である。ドンナは、ソーカーホースを庭のすみに投げだし、土壌に堆肥を鋤込んでから、植栽のためにホースをもとの場所に戻す。このシステムは冬に解体して保管する必要はない。冬になったらドンナとリズは、冬の太陽の紫外線による劣化を防ぐために、むき出しの地面とポリパイの上に葉のマルチを敷く。夏になり、植物が1インチかそれ以上の高さになったら、ホースが地中で水分を保てるように、刈り取った芝草や葉のマルチをその植物の周りや地面に敷くことを提案する。


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文・松崎里美