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雨水品質と環境効果雨水は海水と真水両方の水環境の広範囲な破壊を引き起こす。地域の雨水からは、多種多様の化学製品とその原料が確認される。地域や環境によって汚染物質の種類は異なるが、汚染物質は主に次の4つに分けられる。
次の表は、都市に降った雨水の中から見つかった汚染物質について要約したものである。
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屋根集水による年間の雨水集水可能量例:
*流出係数は集水場所により異なるが、屋根の場合は一般に0.85〜0.95程度を用いている。ここでは0.85を乗じている。 |
これは雨水集水の可能なであり、この1日平均500リットルという量だけを参考に雨水貯留槽(タンク)の大きさを決めるのは無理である。タンクの大きさは、あくまでもこれを目安に検討する。(次の雨水システムの構成の4を参照)
雨水集水システムは次の6つの部分から構成される。
雨水は、トタン屋根、粘土瓦、スレート屋根などの屋根から集めることができる。
屋根材や屋根塗料に鉛が含まれている場合、雨の弱酸性の成分は鉛を分解し、水を汚染し、屋根も傷める。また、長期利用により、コンクリートの中性化や使われている金属類の腐食も生じてくる。このため、屋根・屋上の定期的な点検が必要となる。鉛については、鉛が含まれる材料を経由する雨水の利用は避ける。樋のハンダ合金にも鉛が使用されていないかどうか確かめる。また、ある種の合成アスファルト材料、アスベスト、屋根板、コンクリート瓦と鉛の混じった塗料は汚染物質を浸出し水質に悪影響を与えるので、注意する。
樋と縦樋には、継ぎ目なく成型されたアルミニウムや鋼、またはPVC材を利用する。適切な大きさで傾斜を合わせ、縦樋から雨水貯留槽まで、集水する雨量を最大限にするよう備え付ける。集水配管の手前、つまり屋根・屋上にはルーフドレーンが必要である。ルーフドレーンは、金属かプラスチック枠の中に約6mmのワイヤーメッシュ(ストレーナ)が入っていれば良い。ルーフドレーンは、目に見える大きさの汚染物質の除去や雨水の集水管(樋と縦樋)への流入を制御することができるが、その効果を維持するためには、定期的な清掃が必要である。また、もし近くに樹木があり、落ち葉が問題を起こすと考えられる場合は、落ち葉に対する遮壁を樋の全長に沿って設置する必要が生じることもある。
また、初期降雨については、屋根・屋上ともに集水場所の環境によって、取り除かずにそのまま貯留槽に取り入れてもよい場合と、汚染の危険を防ぐために排除する場合がある。例えば、交通量の激しい地域の屋根・屋上や、屋根材質に問題がある場合、ルーフドレーンを通過した雨水は、異物としての汚染物は除去できても、化学的に汚染されている可能性もある。そこで、例えば個別の小さな器へ初期降雨を逃がすことにより、(ルーフドレーンが不完備でも)雨に先立って屋根に一般に溜まっていた鳥の糞や落ち葉も除去できる。一旦このスペースが満タンになったら、それ以上の水は、貯留槽へと接続された縦樋を流れるように接続し、初期雨水を溜めるスペースは、次の降雨の前までに水を空にすることができるよう、底に栓や小さな管が付いていることが必要である。
初期降雨を排除すると集水できる量は減少するが、一般に、降水量4mm/日以上から集水するとし、このうち0.5mm/日を初期雨水として排除する。または、屋根面積100 m2ごとに40リットル削除する。降雨量のおよそ6〜10%を削除すると考える。
タンクには、プラスチック、鋼、コンクリート、ファイバーグラスなどさまざまな素材で出来たものが利用可能である。耐久性と耐水性があり、不透明な外観と清潔で滑らかな内部を持っていればなお良い。蒸発と蚊の繁殖を防ぐための蓋を備え、昆虫、げっ歯類、鳥の侵入と子どもが遊ばないよう工夫が必要である。また、タンク内部に藻類が繁殖しないように、直射日光を遮る涼しい場所に置くようにする。必ずオーバーフロー管を接続し、定期的清掃もやりやすいような開口部であることが望ましい。タンクの設置高さはポンプにより揚水をするか重力方式かによって、推奨する高さが異なる。また、大きさは次のものに依存する。
雨水利用量
年間降水量、日別降水量、降雨パターン、降雨強度
集水面積
必要とする供給面での安全性
上水代替率
雨水利用システムが単独で設置されるのではなく、本給排水設備と接続される場合には、効率的な雨水集水と貯留システムが、本システムを妨げないことが求められる。汚染から本給排水設備を保護すること、異物の除去、逆流防止装置の設置が必要である。給排水設備はすべて限定された専門家によって施工されるよう勧める。許可された給排水設備基準に対応することを必要とされる。
雨水を非飲用に利用する場合には、沈殿物の除去とpHと簡単な添加剤を和らげるフィルターの設置が、基本的な水処理の処置である。飲用する場合、つまり飲料水に対しては、精密濾過用フィルターと微生物を利用する消毒槽が必要である。
しかし、飲用非飲用にかかわらず、鳥とげっ歯類の糞から安全で、初期雨水を除去することのできる雨水センサーとそれによって流入経路を切り換えられる電磁弁がついているシステムの場合でさえ、例えば、配管から来る汚れ、さび、湯垢と、大気から菌がタンクに入る可能性はあり、水質が不十分かもしれないということを常に心に留めておくことは重大である。
そこで、できるならば、貯留槽の前に沈砂槽(スクリーンストレーナ)により浮遊固形物を沈殿させて除去すること、貯留槽の後に精密濾過用フィルターによるろ過装置を設けること、といった水処理が推奨されるのである。プールや浴槽で使用されている簡単なカートリッジ・フィルタ(例えば80ミクロンで洗浄できるフィルター)を用いても良い。フィルターの効果を維持するために、設置とメンテナンスは説明書の指示に従って行う。あらかじめ雨水の水質を検査し、どの水処理方法を適用するべきか専門家のアドバイスをもらう方法がもっとも確実である。
例えば下表のように、150m2の屋根から雨水を集めるために4,500リットルのタンクを設置したとすると、最大雨水流量を20〜35%縮小することができる。
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雨タンク容量(リットル)
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利水(リットル)
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200
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200
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3,000
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4,500
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9,000
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125
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50%
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80%
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95%
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100%
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100%
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225
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40%
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65%
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85%
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90%
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100%
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供給された水の平均の年1回の% (150m2屋根面積に対して) |
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325
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35%
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50%
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70%
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80%
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90%
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30m2程度の屋根面積の場合は、用水桶あるいは樽で十分に対応できる。これらは一般に240リットル程度であるが、「サイロ」形のより大きなものもある。
比較的小さなタンク容量でも、家庭での水利用として必要な量の相当量を提供することができる。典型的な家の屋根に対して200リットルの貯蔵タンクがあれば、平均的なトイレ使用水の半分までを提供することができる。
雨水システム設置の際には、水源が上水道ではないことから、その特性について明確に示すサインが必要となる。次に示すのは、その一例である。
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これはすべての雨水システムの水栓脇に貼る飲用禁止のサイン。(ニュージランド)
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逆流防止器具が本給水系統の水質汚染を防止に取り付けられている、のサイン。(ニュージランド)
一般に、庭への潅水をするための雨水タンクには、建築的な申請は必要としないが、開発の場合に下水システムへの汚雨水流入などには確認申請の類の許可が必要である。また、すべての家庭の給排水設備に雨水集水システムを接続したいならば、後からの付け足しであっても建築側の承認が必要だろう。
バックアップとして本給水系統に接続する場合には、逆流防止装置が必要である。
25,000リットル以上の処理能力のタンクは、地面に直接設置する。
2,000リットル以上の処理能力のタンクは、地面から2m以上上に設置する。
500リットル以上の処理能力のタンクは、地面から4m以上上に設置する。
6,000リットル以上の大きなタンクは、それ自体が境界などに関しての絶頂のようなある判定基準を満たすことを保証するための資源同意を必要とするかもしれない。
逆流防止装置は汚染から本給水系統を保護するために必要である。特に、システムバックアップとして雨水システムが本給水系統と任意の形で接続されるときには、逆流防止弁(ダブルチェックバルブ形)などの装置を必要とする。
給排水設備はすべて公認の配管工によって施工されなければならない。水道工事は水道工事の免許を持つ業者のみが行うことができる。
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雨水利用のための維持管理チェックリスト
屋根 □ 屋根に雨による傷みと思われるものは生じていないか。 □ ルーフドレーンの目詰まりや材の劣化など定期的にチェックし、清掃する。 集水管 □ 無鉛材料であるか。劣化はないか。 タンク □ 水質汚染を防ぐには、タンクの水を毎年1回塩素殺菌することもある。 □ 定期的な清掃を意図した、清掃しやすい構造であることを確認する。 フィルタなど器具 □ 劣化や目詰まりはないか確認、洗浄する。 安全性への配慮 |
※植物の利用、開水面距離については、もうしばらくお待ちください。
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