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ゼリスケープガーデンを創造するための基本的な知識・技術の会得を目的とする技術講座。 中でも専門性が高い灌水システムについて、基礎から学んでいきます。 **************************************************************
はじめに
この度、JXDAのスタッフとなった美濃輪です。日本のゼリスケープの普及に向けて、技術面の研究を主に仕事としています。
簡単に経歴を紹介させていただきますと、農学部を卒業後、2年間アメリカにてランドスケープ研修プログラムに参加し、主にランドスケープにおける灌水技術に携わってきました。塾卒業生である私は小出先生に帰国報告をしに来た折り、日本ゼリスケープデザイン研究協会がまさに本格的な活動を始めた好機とあいまって、僕のアメリカで経験してきたことを、日本において活用・普及する使命を担うこととなりました。これから日本での適応などをデータ収集し、現場から習得したことをご報告して参ります。
今回は初回であり、まずはアメリカにおけるランドスケープの灌水システム導入についてお話します。アメリカではカリフォルニア州モントレー、カーメルといった地域で造園施工の仕事をしてきましたが、庭を持っている家では、灌水システム導入が前提とされており、ランドスケーピングを職業とする人達は水道管の引き込み、水栓の立ち上げ、灌水部品についてなど、当然に知識と技術を持っていて、日本の造園業界(すべてではないと思いますが)との大きな違いを感じました。またアメリカというと芝生=スプリンクラー*と一般的に思われがちですが、それだけでなく、ドリプ式** も結構普及していて、ランドスケープの計画時にそれぞれの棲み分けがされているケースが多く見られます。もちろん、灌水器具については日本でも輸入されていますが、充実しており、小規模の場合はホームセンターなどで家庭の庭用に買い求める人も結構います。
次回より、灌水システム導入ABCをお届けします。
注)スプリンクラー*・・・水をスプレーする灌水装置。主に芝生や農業用など。
ドリップ式** ・・・ドリップチューブ、エミッターなど点滴法による灌水方法。
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