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 >> 月例研究会レポート


JXDAの月例研究会とは、毎月テーマを設け、専門知識を持ったメインスピーカーが提供する情報や研究成果をもとに、情報や意見、アイデアを出し合い、目標に向かって行動を起こしていくものです。

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■9月度研究会 2003年9月24日実施       メインスピーカー:小出兼久
日本の気象条件と水との関わり


日本の気象条件と水とは密接な関係がある。ゼリスケープを推進するものは、気象の何を知り、何をするべきか。今日本の気象がどのように変化をしているのか、WEBなどで発表されている資料を用い、話し合った。


ヒートアイランド対策
現在の気象を知ることは、将来における気象の予測をたてるために必要なものである。特に都市化に伴う様々な資源エネルギーの消費量拡大は、都市の気象に固有の現象をもたらすようになった。

1.屋上緑化はヒートアイランド対策に効果的か

(1)効果的という結果のシュミレーションモデル
いくつかのシュミレーションモデルによれば、屋上緑化はヒートアイランド対策に貢献しているという数字が導き出され、屋上緑化を後押ししている。ただ残念ながら、屋上緑化と街路樹緑化(都市キャノピー)とのどちらが効果的なのか、という比較データはみることができない。緑化のための環境条件も作業条件も厳しい屋上と地上局と、一概に割り切ることはできないが、緑化自体の環境負荷、費用対効果、快適性、環境貢献という度合いを、データとして測定すべきだという意見がだされた。屋上だけに固執せずに、広い視野で緑化をとらえることが、緑化を推進することになるが、緑化の重要性がまだまだ認識されていないということで、一過性の屋上緑化ブームかとも言われた。

屋上緑化については、一貫した取り組みが大事ということで、協会は、屋上緑化のデータ計測と水源を雨水に求めることを各地方自治体に働きかけていくことを確認した。


まとめ

日本の気象条件は多々あるが、今回は特にヒートアイランド現象という都市固有の気象を例に話し合った。ここでは、取る手段によっては、気象ー水ー緑化が密接に結びつき、この気象自体を緩和するという循環する構図になっている。そのため、ランドスケープデザイナーなど専門家が、気象という現象に対して何ができるかというひとつの可能性を示しているともに、美観だけでなくこうした環境貢献も併せ持つ緑化を行っていくことの必要性を痛感させられたのであった。


文・松崎里美