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vol.3 07.11.07
木々の色
常盤をしばらく留守にしている間に秋の気配は徐々に過ぎ、冬を迎える庭になっていた。

ヤマボウシにケヤキ、カツラ、ナラ、カエデとドウダンツツジにブルベーリーと真っ赤や真っ黄に

色づいた木々であった。裏山にはうっすらと白い化粧をした黒部別山、鹿島槍ヶ岳が覗いている。

常盤の改築も本格的な冬を迎える前に、すべての作業は終わらないようだが、かろうじてストーブ

の煙突は間に合いそうである。薪も準備ができたし一安心だが、万全とはいえない。常盤での初冬

はどうなのだろうか、と考える。


そういえば、春からラニーニャが発生すると、猛暑・厳冬になる確率が高い。猛暑はその通りにな

ったが、厳冬の方はどうなるだろうか? と頭の中を過る。


話を戻すが、木々の色である。

晩秋から立冬の色は日に日に鮮やかさが目立つ、まして都会では見られない木々の色がある。その

木々の色が異常なくらい美しい。異常というところは、ポートランド(オレゴン州・米国)でも同じ

ような現象が起きていた。例年に比べ降雨が少なく、温度が急速に上下し時には寒さがますことも

あった。この異常のおかげで、その美しさに見とれ、なんとも言えない時間をすごした。車を止め

見入ってしまったくらい美しかった外路地やコロラド渓谷の山々。おそらく今までに見た美しさと

は比べ物にならない美しさであったような気がする。と同時に春を思い出す。今年の春はいい春だ

った、新緑も草花も身体の中に春がたっぷりと行渡った私の春だった気がする。と同時に木は一人

で生きているのだろうかとふっと思う。


太った木、やせた木、枯れそうな木、樹皮の朽ちて剥げる木は、それぞれ不思議な生き方をしてい

ることに気づかされる。それらは耐えているようにも思えてくる、そしてどうして頑張っているの

だろうかと・・・声をかけたい気持ちにもなる。

今年の秋の色は、特別なのかもしれない。そして木々の生きている姿を見ると微妙な変化を感じ取

っているような、それは悲痛な叫びの色、警告を発しているのだろう?とも思えてくる。


そう言えば、人間も色が変わる。正しい人、悪い人、ごまかす人、それぞれがその色を作る。なる

ほどと思う。

〜 ポートランドの秋2007 Portland 〜
 
木々の紅葉に思わず見とれた。写真をクリックすると拡大。
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