煉瓦造りの家は木造の家よりも優れているのかどうか

 

新しい家を建てる際は、まずどのような材料で建てるのかを決めたいものです。というのも、材料の種類は、設計の品質や住居の快適さ、構造の寿命などを左右する非常に重要なものだからです。建築材料は多種多様ですが、現代の建物で使用される材料のうち最も人気があるものは、材木と煉瓦です。どちらの材料にも長所と短所があり、状況の他予算や好みによって最適な選択肢は変わってきます。日本では個人の場合は一般に木造建築が多く、煉瓦造りの家については、あまり知られておりません。そこで、ここでは、煉瓦造りの家についてその特徴をまとめています。

 

 

煉瓦造りの家

 

煉瓦は、建物においては組積造(そせきぞう)の壁構造を造るのにつかわれる建築材料です。壁は伝統的には粘土を使って作られていましたが、現代の家の現在の傾向に合うように、その在り方は時間とともに進歩してきました。煉瓦は、砂と石灰や粘土などの土とコンクリートをつくる材料で作られた長方形の塊りです。種類や大きさも原料の混合割合も、さまざまなものが製造されており、また、時代や地域によっても使われる種類や製造方法が異なっています。煉瓦で造られた家というのは、耐久性が高く、自然災害の一部にも耐性があり、長持ちするのが一般的で、それらを目当てに造られています。

 

 

木造の家

 

木造の家は、煉瓦造りの住宅よりも経済的であると考えられています。木材というのは生分解性で、リサイクル可能な素材であり、いわゆる「エコ」な天然素材であるからです。木造の家は、迅速かつ簡単に建てることができ、また、予算的にも煉瓦造りの家と比べると安価で、エネルギー効率に優れています。そして他にも、木材には数多くの利点があります。しかし、だからと言って、煉瓦あるいは他の建築材料を差し置いて、木材を使用するほどの信頼性があるかというと、一概にそうは断定でません。これは、木材にはさまざまな種類の害虫が発生しやすく、時折処置が必要になる可能性があるためです。また、カビの影響を受けて構造に大きな損傷を与え、修理を引き起こす可能性もあります。

 

 

つまり、木造の家と煉瓦造りの住宅、それぞれに良さはあるということです。次に、これまではあまり知られていない、煉瓦造りの家が木造の家よりも優れている点を挙げます。

 

 

煉瓦造りの家が木造の家よりも優れている点

 

・耐火性および耐候性

 

煉瓦で作られた家は耐久性に富んでいます。なぜなら、煉瓦は強く速い風で飛散する破片からの直接の衝撃に対して、木材よりも耐えることができるからです。また不燃性であり、特定の部屋で火災が発生すると消されるまで火を封じ込めるような性質もあります。この点においては、発火しやすい木材とはかなり異なります。欧米の場合、保険会社は、煉瓦造りの家の住宅所有者保険には低料金を提供するところも多いです。

 

 

・環境にやさしい

 

煉瓦というのは、地球上で最も豊富な材料のひとつ、頁岩(シェール:堆積岩の一種)と粘土からできていて、他の建築材料よりも湿気をよく吸収します。これにより、カビやチリダニの発生する可能性を最小限に抑えることができます。コンパクトで信頼性の高い素材で、建物以外にも庭の小道を舗装するのに再利用したり、あるいは、粉砕して細かくすれば路盤をつくるときに混ぜることもできます。

 

 

・温度制御とエネルギー効率

 

煉瓦の壁を断熱材と組み合わせると、室内の温度を安定させることができます。壁を通る熱の動きを遅らせて家の中をより長く暖かく保ちます。これは光熱費を節約するので、結果として、二酸化炭素の排出量を削減することになります。熱は、煉瓦の壁によって冬の間は家の内部に、夏の間は外部にとどまることになります。

 

 

・無限のデザインの可能性

 

煉瓦は、上でも述べたように粘土、頁岩、コンクリート材料から成形されるため、さまざまなスタイル、色、および形状で供給されることが可能です。常にユニークであり、こうした多様性は煉瓦構造にスタイリッシュな外観を与えます。クラシックなデザインでもモダンなデザインでも、探しているものを煉瓦で見つけることができます。

 

 

・低メンテナンス性

 

煉瓦造りの家は、耐久性と色の保持力が高い(退色しづらい)ため、維持管理をあまり必要としません。塗装が不要で、木材のように生分解性でないので自然と朽ちていくこともありません。シロアリなど害虫を心配する必要がないので、簡単に管理できます。煉瓦の一部が緩んだり欠けたりした場合は修理することができます。

 

 

煉瓦造りの家と木造の家、選択する際に考慮すべき要素

 

煉瓦造りの家と木造の家、どちらを選択しようか、迷う方も出てくるかもしれません。そうした際に考慮すべきことは、場所(地域)、目的、メンテナンスなどの問題です。煉瓦も木材も住居に適しています。それは都市であろうと郊外であろうと変わりません。煉瓦は、自然の熱を保持するため、寒い気候の下で非常にうまく機能します。木造の家では、改装や修理、外壁の塗り替えやなんらかの部材の交換が必要になってくる場合がありますが、一方で、煉瓦は損傷に強いため、このようなメンテナンスはほとんど、または、まったく必要としません。さらに言うと、煉瓦づくりの家は、優れた資産価値を持っており、木造の家よりも、手間をかけずに売りに出すことができる可能性があります。

 

 

結論を言えば、煉瓦づくりの家は品質に優れています。そして、それがもたらす利点は、木造の家のそれを上回ると言ってよいでしょう。木造の家も人気がありますが、煉瓦づくりの家に比べてメンテナンスが必要となります。煉瓦造りの家は初期費用が高いかもしれませんが、維持費が安いため、長期的にはお金を節約することになります。