雨水管理と水循環


水問題を解決しようとするなら、水循環について知らなければならない。水循環とは、空から地面へそしてさらに空へと還る水の一定の活動である。水循環を構成するのは、降水、浸透、蒸発散(蒸発と発散というプロセスによって水が大気へ放出される現象)、地表面と河川での貯留、そして地下水貯留である。空から地面への水循環は、雨水のときもあれば、雪やあられの形で降って地上に落ちてから溶解することもある。

 

 

 

水循環が環境に及ぼす影響の大きさは、降水パターンと土壌種別などの環境要因に応じて変わる。また、地域によっても異なる。水循環の根本原理とは、典型的な未開発地域の山林や草地の場合、水は大きな割合(約50パーセント)で土壌に浸透するというものである。地中へ浸透した水のほとんどは、浸透後、地中を移動して湖や小川へ流れるが、しばしば再浮上して地表面近くに残ることもある。また、飲料水として利用される地下帯水層を涵養するほどに、より深いところまで浸みていく水もある。逆に、地面から空への水の移動については、蒸発と蒸発散による大気への水の放出が大きな割合を占める。具体例では40パーセントである。この水は小川などの地表の水域に存在する水とは独立しており、少量(具体例には残りの10パーセント)の水だけが、循環から外れて典型的に未開拓地の表面にとどまっている。

 

都市化は水循環を劇的に改変する。雨水の地面からの流出や大気への還元を時にはほぼ0パーセントにしたり、地中への浸透を減らしてしまう。都市化によって雨水が汚染されたとしたら、その流入先の水域も汚染してしまう。雨水はそれが流れ込む水域の物理的特性や化学的特性を変化させてしまうのだ。都市化によって劇的に悪い方向へと変化した水循環を正常に戻すことが雨水管理に求められることであり、低影響開発ひいてはグリーンインフラストラクチャーの原点である。