地域固有の水循環を再生する:イオンモール今治新都市店雨の庭

 

イオンモール今治新都市店雨の庭TM (今治市,愛媛県,2016年)

 

今治は愛媛県の北東部に位置し、陸地から島しょ部まで変化にとんだ地勢を持つ地域である。気候は穏やかであるが年間降水量は1200mmと少ない。雨は貴重である。地域の水を保全し、有効活用するために雨の庭TMが果たすことのできる役割は大きい。

 

イオンモール今治新都市店の敷地に造られたこの雨の庭TMの規模は、住宅地の庭と同程度の大きさである。(住宅地に造る際の参考例とすることもできる)。この雨の庭TMは建物屋根に降った雨を集めて、縦樋を経由して庭のエリアへと導き、地中へ浸透させるもので、土壌には地域で不要になった今治瓦を砕いて混ぜ、再利用している。地域産の材料を再利用したリサイクルガーデンともいえる。今治瓦の効果は浄化の促進および地中への浸透速度を調節するものである。

 

鉄製造形物
縦樋から長く伸ばされた導管の先には、鉄製の大きなエスカルゴ(カタツムリ)を配置し、庭の印象を深めるアイキャッチとした。その他にも、鉄や石を使った生物を模したオブジェを植物と対比させながら配置している。これらはアートの楽しさを伝えながらも、生物生態系に対する美観的なアレンジであり、雨の庭TMの「雨」をより身近に感じてもらうための工夫でもある。自然と人工的な造形物を雨の庭の中で融合させている。

 

JXDA(LID JAPAN)認定植物(JXDA認定ゼリプランツ)
雨の庭TMの植物は乾燥と突然の湿潤に対処できるものでなければならない。JXDAはゼリプランツの中から地域の気候にあったものをJXDA(LID JAPAN)認定植物としている。今治の土壌と自然に合うグラス類を中心に植栽した。汚染物質を吸収する役目も果たしている。

 
※追記:イオンモールの雨の庭TMはABINC賞を5店舗で受賞。(イオンモール多摩平の森は特別賞も受賞)2016.10.22