リビングウォールの歴史

リビングウォールという壁面緑化はいつ生まれたのでしょうか。それは、バビロンの空中庭園が書物に記された紀元前600年にさかのぼります。この庭園が実在したのかはなぞに包まれていますが、この庭園のコンセプトはいわゆる最古のリビングウォールととらえられています。その後、水耕栽培システムを備えた現代のリビングウォールが、1931〜38年にイリノイ大学アーバナシャンペーン校のスタンリー・ハート・ホワイト(Stanley Hart White:アメリカの造園家、ランドスケープアーキテクト、造園教育者、指導者。ニューヨーク・ブルックリン生まれ)によって発明されました。

 

 

リビングウォールはどのような利用が可能なのか

 

 

リビングウォールの設置目的はさまざまで、サイズも空間の規模に応じて変化します。用途がインテリアに限られる場合にリビングウォールと呼ばれることが多いようです。他方、外の空間で用いる場合には、グリーンウォール(緑の壁)や壁面緑化と呼ばれます。

 

 

リビングウォールのメリット

 

リビンググリーンウォールのメリットには次のようなものがあります。

 

  • 空間効率が非常に良い。リビングウォールは垂直壁を緑化するが、この領域はもしリビングウォールが使わなければ庭の中では無駄な空間であった。都市で庭を大きく取ろうと思ったら、リビングウォールの利用は、庭を拡大し栽培できる植物の数を増やすことになり、最適な方法である。

     

  • 冷暖房費の削減を助長する。リビングウォールを外壁にすると、土壌領域と植物が建物の側面に断熱性と日陰を提供し、冷暖房費を大幅に削減する。内壁での利用ならば断熱材として機能する。また、室内外どちらの場合でも道路からの騒音を低減する優れた防音壁にもなる。

     

  • 食費の削減にも役立つ。ハーブやサラダ菜、野菜や果物などの食用植物も栽培することができる。

     

  • 野生生物の都会の避難所となる。外壁で使用するなら、植える植物の種類によって鳥、蝶や野生生物が訪れるようになる。

     

  • 美しい。本来、退屈にみられがちな無機質な建物の側面が、リビングウォールによって緑と咲き乱れる花々で演出される面に代わる。調査によると、窓から緑などの自然を見渡すことのできる人はストレスが少なく、仕事や個人生活に対する満足度が高いという。どんなに限られた空間であってもリビングウォールならば、窓から見ることのできるようになる。

     

  • 空間を節約する。垂直方向の景観を生み出すため、アパート、ホワイエ、テラスなど床面積が限られている場所であっても、床と壁面との相乗効果で庭の創出ができる。

     

  • 空気を浄化する。大気中の粒状物質を集め、ガス状汚染物質を吸収し、光合成にて二酸化炭素を吸い込む。植物は空気中の酸素を吸い込み、空調費と温室効果ガスを削減し、二酸化炭素排出量を削減する。

     

  • 防音・防熱効果と節約、壁面の寿命を延長する。建物を騒音や外気温の変化から断熱し、空調の大幅な節約と建物の壁面自体の寿命の延長をもたらす。建物を紫外線や酸性雨から保護する。

     

  • 生物多様性に貢献する。鳥、ハチ、蝶に保護された空間を提供し、生物多様性に貢献する。

     

  • ヒートアイランドの影響を低減する。ヒートアイランド は、自動車の排気やエアコン、大量の吸熱アスファルトとコンクリートなどによって都市が生成する集中熱が引き起こす現象であるが、グリーンウォールの植物から水分が蒸発するとき、気化熱で周りの空気を冷やすことができる。

     

  • 資産価値を上昇させる。無期限に緑化することが可能なので資産価値が上昇する。

 

 

空間を節約し、空気の質を改善し、ヒートアイランドを抑制し、敷地の資産価値を評価し、生態的多様性に貢献する。リビングウォールは明るくきれいで緑の多い明日を未来として出現させるためのサスティナブルなツールなのです。