ファイトレメディエーションに適した植物ベスト5

ファイトレメディエーションに適した5種類の植物を紹介する。

土は、我々にとって最も基本的な天然資源の一つであるが、それは今や危機にひんしている。土は過去数十年もの間無視されつづけ、汚染されつづけてきた。地球規模での汚染地図を定義するのは困難であろうが、欧州環境庁は、重金属や鉱物油が主要な土壌汚染物質であると特定している。

 

たまたま私は、ヨーロッパにある汚染された敷地は、今後10年間で50%増加すると予測されると聞いたばかりだ。だから決めつけるわけではないが、我々の最大の環境課題の一つが足下にあることは間違いないであろう。我々はランドスケープアーキテクトとして、解決策を出す側の役割を果たさなければならない。その意味で自らの可能性のすべてを認識する時ではないだろうか。

 

ファイトレメディエーションとはなにか?

修復技術は以前にも増して人気になっている。そのため、すでにファイトレメディエーションについて良く知る人は多いかもしれない。ここでは、土壌や水から汚染物質を削減や分解、除去する実績のある植物について解説する。そのような植物の汚染浄化に対する有益性は傑出している。つまりそうした植物は見た目の派手さもなく、高価なエンジンも持たず、自身に有害化学物質も含まない。

 

 

ファイトレメディエーションに最適な植物

 

1. セイヨウカラシナ(Brassica juncea L.)

分子科学誌 International Journal of Molecular Sciencesによれば、重金属は工業用地だけでなく耕作地にも影響を与えているという。我々人間の健康は広範囲な危険にさらされていることになる。そんな中、アブラナ科の種は、大量のバイオマスを生成する過程で特定の金属を蓄積する。本当に有益なものであり、なかでもセイヨウカラシナはこのグループのスター的な存在である。

 

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“Brassica juncea(セイヨウカラシナ)” by elminium. Licensed under Creative Commons 2.0 via Flickr

 

セイヨウカラシナは他の種の3倍以上のカドミウム(Cd) を取り出し、セレン(Se)の48%を削減し、鉛(Pb)の28%を削減し、同様に亜鉛(Zn)、水銀(Hg)および銅(Cu)に対しても有効である。80年代にはそうした汚染物質に加えて、チェルノブイリから放射性元素Cs137を取り除いたが、このことはあまり知られていない。

 

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Sajith T S. “セイヨウカラシナ“ Licensed under Creative Commons 2.0 via Flickr

 

 

2. ヤナギSalix species(ホワイトウィロー)

水を好む植物は景観を美化するのは勿論だが、その外観に限定されない価値がある。その根は生存能力(重金属やディーゼル燃料に対するサリックス・アルバ(Salix alba L.)の反応)を証明しており、ヤナギもまたファイトレメディエーションのために使えるのではないかと多くの関心を集めている。カドミウム(Cd)、ニッケル(Ni)および鉛(Pvb)などを処理し、ディーゼル燃料で汚染された敷地など重金属が混合している環境にさえ耐える。

 

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“ブローデルリザーブにある柳の木“ by Geaugagrrl – 自作品. Licensed under Public Domain via Wikimedia Commons

 

アムステルダムのウェスターガスファブリーク(Westergasfabriek)パーク(ウェスタンガス発電所パーク)を知る人はいるだろうか。LAN(ランドスケープネットワーク)は「汚染されたガス工場からデザイン賞を受賞するほどのウェスターガスファブリークへ 」というジェラルド・デ・シルバの記事の中で、池や水生庭園を通じてヤナギがレクリエーション機能とレメディエーション機能を示すと話していた。スウェーデンにはエネルギーとファイトレメディエーションにヤナギを利用しているプロジェクトがあるが、これでも分かるように、ヤナギは都市排水向けの大規模システムでも効果的である。

 

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ウェスターガスファブリークパーク. Image courtesy of Gustafson Porter

 

3. ポプラ (Populus deltoides)

土壌や水中におけるポプラの効果も広く研究されている。ポプラの秘密は、大量の水を吸収できるようにつくられているその根系にある。

 

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“ポプラ“ by Matt Lavin. Licensed under Creative Commons 2.0 via Flickr

 

トリクロロエチレンのような塩素系溶剤や発がん性のある四塩化炭素は、環境健康科学研究所の研究によれば、ハイブリッドポプラ(ポプラの交雑種)が良く直面する有機汚染物質であるが、それらはポプラが除去する物質の95%を占める。

 

さらに、フェイトペット(PhytoPet:水生および陸生生態系のバイオレメディエーション)という方法のバイオレメディエーションを扱うカナダのデータベースは、ポプラがベンゼンやトルエン、o-キシレンなどの石油系炭化水素を削減する可能性があると発言している。ポプラは公共の庭園ではあまり一般的ではないが、エリン・サープが書いた「世界的に有名なグラントアソシエイツによるセンセーショナルハイブプロジェクト」とうLANの興味深い記事でポプラの敷地への統合例を見ることができる。

 

 

4. インディアングラス (Sorghastrum nutans)

研究によって、この米国中西部の自生植物がその周囲の土壌や地下水に利益をもたらすことが分かった。多くの人々は、アトラジンやメトラクロールを含む有名な殺虫剤や除草剤、一般的な農薬などの残留物を無害化するインディアングラスの力に気付かずに、ただ、道端に生えている雑草としてこれを見ているだろう。

 

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“インディアングラス(Sorghastrum nutans (3912211191))” by Matt Lavin from Bozeman, Montana, USA – Sorghastrum nutansUploaded by Jacopo Werther. Licensed under CC BY-SA 2.0 via Wikimedia Commons

 

インディアングラスは、石油炭化水素を取り除くことのできるフェイトペット(PhytoPet:水生および陸生生態系のバイオレメディエーション)で識別される9種のイネ科ファミリーのメンバーのひとつである。そのリストには、ランキングをリードするコモンバッファローグラスやウェスタンウィートグラスのような他のグラスも含まれている。

 

 

5.ヒマワリ(Helianthus Annuus L.)

「土壌中のPAHの生分解におけるヒマワリの根圏の影響」という実験は、ヒマワリが効果的な方法でさまざまな濃度のPAH土壌においてその濃度を下げたことを明らかにしたが、本当に驚くべきことは、ヒマワリの蓄積できる汚染物質の範囲がいかに幅広いかということであった。

 

ヒマワリ(Helianthus annuus)とセイヨウアブラナ(Brassica napus)は、鉛や亜鉛などの重金属を吸収してくれる。トウモロコシやアルファルファ、それとヒマワリの間作に使われるナツメヤシは、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(K)、カドミウム(Cd)、銅(Cu)またはマンガン(Mn)などの重金属を吸収する。ヒマワリの生長がすぐに作業を開始するほど早いことは、素晴らしいニュースである。

 

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Quzhou Luming Park(衢州鹿鸣公园). Photos courtesy of Turenscape.

 

実際、1ヶ月経ったヒマワリは24時間で95%以上のウランを除去するという信じられないほどの目標を達成した。(これを見ても分かるようにヒマワリは環境産業向けの潜在的な作物である)また、表層的な地下水からセシウム(Cs)やストロンチウム(Sr)を含む放射性金属を除去するその力を見せつける。他の種と共にヒマワリの効果を強化すると、ヒマワリは廃鉱などの多くの敷地で高い成功をもたらすようである。

 

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Quzhou Luming Park(衢州鹿鸣公园). Photos courtesy of Turenscape.

 

ファイトレメディエーションに適した新しい植物が毎年発見される。また、既に効果が知られている植物の場合も、その汚染物質曝露の影響を決定する実験が行われる。そこには固定されたレシピはないが、このような植物を利用した結果は有望であり経済的に実行可能なものであると言えよう。