適切なメンテナンス

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h2ologo No19:Web記事:2013年11月号会員用(PDF ver.A4:24p)

第一節 メンテナンスの意味

ランドスケープの設計は計画の竣工を以て終了となるのではなく、そのランドスケープが将来に渡りどのように維持されていくのかまで、見渡したものであることが求められる。ここで出てくるのは、竣工後のメンテナンスはどう行われるのだろうかという問いであり、設計者はオーナーやメンテナンス実施者の作業にかかる費用と時間に応じた設計をしなければならない。しかし、そもそもメンテナンスとは何を目的とした作業であろうか。我々は時にこの端緒に立ち返り、問いを発することで、メンテナンスの重要性をランドスケープにかかわる全ての人々が認識すべきと考える。

 

ランドスケープにおけるメンテナンスが達成すべきゴールは、デザインの完全な状態を保ち、植物の健康を維持することにある。とはいえ、これは無論理想的な表現であって、これには、二つの相反する方向の、つまり完成から劣化が始まるハードスケープ(デッキ、フェンス他構造物)を上手く維持していくことと同時に、完成後も生長し続けるソフトスケープ(植物)を管理し維持することで、デザインを維持していくことが求められている。これは確かに厄介なことである。しかし、洋の東西を問わずに、今日に至るまで残る数々の名園は、こうして長年に渡って維持されてきた。細部の、例えば些末な植栽は変遷しても、デザインの骨格は変わらない。デザインの骨格には当然ハードスケープだけでなく植物も含まれている。ならば名園などの後世まで残るランドスケープというのは、竣工時に完成するのではなく、その後のデザインの維持継続性により、そこまでに育て上げられるのだと言うことができる。デザインに対する「敬意」がメンテナンスであり、それには設計者がまずクライアントや管理者への「敬意」を込めた設計を行わなければならない。それを逆に、自らが虐げてしまうのは如何なものか。今日の設計者や管理者がメンテナンスの難易を考える余りに、竣工即完了として手離れの良いことを第一とし、何でも無難で画一的な植栽にしてしまう現状があるのは、はなはだ残念なことである。

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