ランドスケープアーキテクトとは

ランドスケープアーキテクトは、建物やインフラストラクチャーが評価されて永続的な資産となるよう場所や人、自然と共生した開発を導く者である。必ずしも設計意図などを声高に主張する必要はない。なぜならば、作品には目に見えないものがある。そしてそれこそが人になにがしかの想いを抱かせ、時に感傷へといざなう。しかしながら、ランドスケープアーキテクチャーという職業の本質は、現実の問題に対して、創造的かつ持続可能な解決策を提供することである。

 

 

現代のランドスケープデザインは、緊急の課題に取り組まなければならない。気象変動、都市のインフラ、雨水管理……ランドスケープアーキテクチャーによる解決策は、刺激的な場所を作り出すのに役立つだけでなく、住むことにより適した都市や生物多様性の創出や気候変動に対応するレジリエンスを生み出す戦略でもあり、意外と見過ごされがちであるが、実はより良い資源管理の方法でもある。

 

 

ランドスケープデザイナーとは、あらゆる規模のプロジェクトで持続可能な成果を導くことを助ける者たちである。世界中の新しい都市やリニューアルのためのマスタープランに貢献する。そして、街角の風景や公共空間の設計、複合土地利用開発、生物生息地の保全、グリーンルーフの創出など、主要インフラプロジェクトの風景を設計するのに十分な資格を備えた者たちなのである。

 

 

実践的な持続可能性

ランドスケープアーキテクトは、経済的かつ達成可能で、人と環境にとってより良い実践的なアイデアを開発して、それを実現する。クライアントや設計チームにとってのランドスケープアーキテクトは、環境の専門家から助言を受けてそれを成果物としての計画に変換するという、重要な環境解釈上の役割を担っている。

 

 

設計の際は、エンジニアリングチームの要求に応じつつ、必要な時には生態学者のような環境専門家からアドバイスを受ける。そして、それを設計に取り込む。そうしてようやく、地元に受け入れられ、かつ地域生態系にも配慮した公園が生まれるのだ。

 

 

ランドスケープデザインを成功に導く秘訣はこれだけではない。プロジェクトの初期段階から、さまざまな人員のいる設計チームの一翼を担うことが肝要である。初期段階での計画への参画によって、より良い設計をチームやクライアントへ伝えて、計画の同意を得ることや、プログラムのコスト、時間、リソースの節約できる場所が明確となり、プロジェクトに大きな価値を付与することができるのである。

 

 

また、マスタープランニングへのランドスケープアーキテクトの関与は、開発者の計画の受容性に影響を及ぼすと思われる問題について早期に行動するのに役立っている。たとえば、洪水を防ぐために、我々は従来、地中に洪水管理システム(貯水路)を建設してきたが、実は、洪水防止のための都市公園を造ることでこのシステム建設を回避することができる。

 

 

気候変動に対するレジリエンスの強化など、今日の社会において、特に都市の中で、ランドスケープアーキテクチャーに対する期待はより増大している。