小出兼久の常盤坐から世界を読む

Vol.136    「レジリエントデザイン」


レジリエントデザイン:レジリエンスは持続可能性の後継者となるか?

ハリケーン・サンディーが米国東海岸に大混乱をもたらして以来、「レジリエントデザイン」が、建築家やデザイナーだけでなく政治家やエンジニア、都市計画家の間でも話題になっている。実際、「Resilient Design」は、2012年11月のGoogleで急上昇した検索用語であり、壊滅的なスーパーストームが来る前の数か月はその用語は模糊としたものであったが、人気キャッチフレーズの「ハリケーン・サンディ後」に現在は移行した。このような自然災害と、さらに最近では11月初旬にフィリピンに上陸した台風が、私たちに自分たちはグリーンデザインコミュニティでいるのだということを思い出させたのであるが、このグリーンコミュニティは、「地球を救う」という純粋なエコロジカル・モチベーションを構築するのを明らかに重要とする一方で、洪水や地震、停電といった自然災害や人為的な災害が原因で建物に住めなくなったとしても、それへのペイントやLEEDの点数評価とはあまり関係ないから気にしないというコミュニティである。これが、レジリエントデザインが活躍する領域なのである。レジリエントデザイン研究所によれば、レジリエントデザインとは、「災害や正常な生活の崩壊に対する脆弱性に建物や景観、コミュニティ、地域などを適応させるように意図的に設計すること」と定義されている。

我々の使命とビジョン:レジリエントデザインは、気候変動や自然災害などの混乱に直面しても、建物やコミュニティが生き残り、成功するための解決策を創り出すことを使命としている。

レジリエントデザインは、より持続可能な世界への道を示すものとして、世界中に受け入れられ、すべての人工的な環境に実装されるものである。国連によれば、2016年には、世界人口の推定で54.5%が都市部に住んでいた。これは2030年までには60%まで増加すると予測されている。この急速な都市化は、変動する経済やインフラ、気候条件などのさまざまな要因が組み合わさった結果生じるものであり、予期せぬ短期的あるいは長期的な混乱を招く可能性がある。小規模な混乱に対する都市の準備が整っているかどうかについては、都市の間でかなりの差があると言えるのは間違いのないところだ。

 

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